二廻目 お金があればなんでもできそう

 「これが最初のあなた。」


 「序盤のほうでやられてしまったわ。」


 どうやら天使様に最初の僕の話を聞かせてもらった。感想としては、まあ頑張ってたと思う。同じ世界ということはこの世界線にも『マリ』という子がいるということだろうか。


 こんな悲惨な結末を7回も迎えている僕はとてもかわいそうだ。


 「2周目のあなたはお金を選択した。」


 「お金があればなんでもできると思ったあなたの末路、気にならない?」


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 この世界で僕は「大富豪」のチートを獲得した。初めからお金はカンストしている。最初の街に着くまでにかなり手こずったが、最初の街につけばこっちのもんだ。


 「よおし、ここにあるすべての装備、アクセサリーを買い尽くしてやる!」


 そう意気込んでいると何やらあちらで騒ぎが起きていた。


 「この食い逃げ娘!どうして払えないんだ!」


 「えっ、でも大盛り無料って......」


 「そんな店あるわけないだろう!王都警備隊を呼んでやる。」


 「そんな......私これから冒険者になるのに......」


 「フン、冒険者どころか普通の生活も送れないだろうな。」


 そう言われているのは頭に青いリボンをつけた黒髪の腰に剣を携えた女の子だ。


 そもそもお金がないのに飲食店に入るのはおかしい。大盛り無料って大盛りと並盛りが同じ値段ってことじゃないのか?よほどアホなのだろう、かわいそうに。あの子に同情したくはなるがやってることは普通に犯罪だ。いや、待てよ......


 「ごめんごめん、待たせたね、僕はこの子の父親でして......これでどうです?」


 そう言った僕は元値の5倍に金額を出して、この子と一緒にこの場を去った。


 「ねえ、なんで助けてくれたの?」


 「そりゃあ僕が大金持ちだからさ。」


 そうだ、これから冒険者になると言っていたがこの子が今つけている装備ではすぐにやられてしまいそうだ。


 「ちょっとついてきて!」


 「はい、これ」


 そう言って僕はこの町で買える最高の装備一式を買ってあげた。


 「こんなことして何が目的なの?」


 たしかに今の僕はとても怪しい。何か目的があると思われても仕方がないことだ。善意だやってるだけなのに......


 「あっ......もしかしてロ◯コン!?」


 「違う!町の真ん中でそんなことを大声で言うな!」


 なんか町の人たちがヒソヒソしている。視線が痛い......


 「えっと、そうだ。今僕も実は冒険者になりたくてね、その仲間を探しているんだ。」


 「最強の装備を買ってやるから仲間になれってこと?まあいいわ、あなたは恩人なのだから。」


 「私の名前は『ユイ』剣士よ!」


 「えっと僕の名前は」


 思い出せない。そういえば最初にお金を確認するために開いたメニュー画面っぽいのになんか買いてあったな。


 「僕の名前は『クリス』回復術師だ。」


 「そう、なら剣士が必要よね。さあクリス、この装備があればなんだってできる気がするわ、早く冒険に行きましょ!」


 「奇遇だな、僕も誰かのせいでこの町に居づらくなってるんだ。」


 こうしてロ◯コンではない僕のお金で解決する異世界生活が始まったのであった。


 


 

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