第2話

 ここはどこだ…? たしか俺は部屋で寝ていて…そうだ! 確か宇宙人ぽいやつに触られたらここに。


「やぁ、目覚めたようだね」

「なんだ、どこだ」

「僕の名前はエアロ。直接キミの頭の中に語りかけてるんだよ」

「おいふざけるな!俺を元の所に戻せ」

「本当に元の世界に戻りたいのかい?」

 それは…。


尾飛乃おびのいち(35)…彼女も友人も家族もいないんだろう、おまけに仕事も首になって、キミこのままじゃあのボロアパートで孤独死だよ。それでも本当にキミは元の世界に戻りたいのかい?」

「おいやめろ!勝手に決めつけんな!てかなんで俺の個人情報を知っているんだよ!」

「あのキミの隣にいた女性から教えてもらったよ」

「えっ、あの女性…って幽霊じゃねえかぁ!おまえらあの時見つめ合って情報の交換してたんかよ!」


「で、どうする?」

「いや、いきなりどうする?って言われてもさぁ。まずここはどんな世界なんだ?」

「たしかキミの部屋にゲームがあったね、ああいう世界と思ってくれていいよ」

「剣とか魔法のある世界か?」

「ああ、あと凶暴な魔物もね。でもここはゲームじゃないしキミは魔法は使えない」

「えっ!?いやなんで?」


「だからキミの脳をいじらせてもらった」

「何してくれてんだ!」

「この世界ですぐ死にたくはないだろう?」

「そらそうよ」


「だからだよ。キミには魔法を使ってほしくないから、その代わりに超能力は使えるようにしたよ」

「超能力ってあの?テレポートとかサイコキネシスとかの?」

「そうだよ。よくわかっているじゃないか」

「それで何を使えるんだ?」


「そうだな読み書きや言語の問題はないよテレパシーが使えるからね」

「読み書きや言語の問題は大事、あとは」


「あとパイロキネシスとか」

「あの火を使えるやつか」


「あとテレポートとかね」

「瞬間移動か」


「サイコキネシス」

「物を動かすやつだな」


「この能力はキミと共に成長する」

 


 エアロと会話しているその時、「きゃー!」という悲鳴がどこからか聞こえてきた。


「ほら、ちょうどいい。その力を試してきなよ」

「ちょっと待て、いきなりそんなこと言われても。どこから聞こえてきたのかもわからんし」


「千里眼を使ってみなよ」

「千里眼?」

「目を閉じて叫び声の人の居所を知りたいと強く念じるんだ」

「はっ?目を閉じたら何も見えんだろ?」

「言ったろ。脳を改造したって」

「わかった。やればいいんだろ」

 

 言われるままに目を閉じて叫び声の人の居所を知りたいと強く念じた。すると女性がクマに襲われている姿が見える。


「おい、見えるぞ。で、どうすればいい?」

「なにが見える?」

「森の中を走っている女の人とその人を追っている3メートルくらいある赤いクマみたいなやつが…だがこれだけじゃわからん」


「それはグマだよ、じゃあ次はテレポートだね、その距離なら今のキミでもいけるだろう」

グマ?テレポート?…あの場所に行くってことか」

「行ったところで俺にあんなでかい熊みたいな奴をどうにかできるのか?」

「大丈夫、そのための超能力だよ」

「でも」

「考えるのは後だ。間に合わなくなるよ」

「わかった。で、テレポートはどうやるんだ?」

「さっき見た人の所に行きたいと強く念じて」

 

 俺はさっき見た女の人のことを強く念じた。

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