第4話 封鎖手続き

空白区画を抜けた先で、管理柱が再び設置されていた。ボルカ・トラファルガーは端末を接続し、点検工程の更新を要求する。画面に新たな工程が追加される。分類は「封鎖可否確認」。発生条件として、通過ログと存在確認の組み合わせが表示されている。


通過ログの一覧を再取得する。空白区画を含む経路で、通過記録が連続している。数値は上限内だが、存在確認の項目が空欄のまま維持されているため、手続きが分岐している。ボルカは分岐条件を確認し、次の工程に進む。


携行センサーを起動する。音響、熱源、重量反応。数値が順に表示される。音響反応は一定。熱源反応に微小な変動。基準値内だが、存在確認工程の条件を満たす。重量反応に変化はない。


区画内に設置された確認窓の前で停止する。強化ガラス越しに内部を確認する。照明は点灯しておらず、非常灯のみが作動している。視認範囲の端で、遮蔽物の配置が変わっている。前回記録と一致しない。


端末に表示される手順に従い、確認工程を進める。対象は「人を含む可動体」。これは空白区画では定義されていなかった項目であり、廃棄区画全体の管理規約に基づく。ボルカは確認窓の角度を調整し、再度内部を確認する。


遮蔽物の背後に動きがある。反応は一度のみ。音響センサーが反応し、ログに記録される。分類は「人型」。確度は表示されない。確認欄にチェックが入り、次工程が自動で解放される。


規約文書が画面に展開される。該当条項は封鎖手続き。代替手段の有無が確認項目として並ぶ。項目はすべて「該当なし」。退避誘導、通告、介入。いずれもこの区画には適用されない。理由欄は存在しない。


封鎖の準備工程に進む。未設置だったシャッター枠に、待機状態の封鎖ユニットが自動搬送される。固定ボルトが所定位置に収まり、封止番号が表示される。ボルカは番号を読み取り、端末に入力する。


封鎖実行前の最終確認が表示される。対象区画、封鎖範囲、影響区画。影響は当該区画のみ。世界全体への影響は評価対象外。ボルカは確認を入力し、実行工程に進む。


封鎖ユニットが下降する。作動音は一定。シャッターが枠に収まり、固定が完了する。通過ログが停止し、区画は閉状態に移行する。内部の反応は取得されない。仕様通りである。


不可逆工程の完了が表示される。工程は自動的に次へ進み、戻る選択肢は表示されない。ボルカは封鎖完了を確認し、記録を確定させた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る