着飾った彼女がグラスの中の光に見惚れる五秒のこと

窓の外から白菫色の月光が差し込んでいる。


彼女はその光を、ワイングラスのふくらみにそっと閉じ込めていた。白いレースの袖口が、呼吸に合わせてかすかに揺れている。上着の袖を捲り、彼女はゆっくりと手首を返す。ふんわりとしたスカートを、月の下で遊ばせた。


一斤染色の液体をめぐる光の粒子。未来からの記憶を呼び起こすように、ひとつ、またひとつと静かに爆ぜてゆく。


グラスが静まるまで、音のない祝祭は瞬きを続けていた。

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