第2話 私

私は、「正しい子」でなければならない。


お盆、私は実家に帰ってきた。


なるべくなら帰りたくない実家。

それでも、帰ってきた。


「久しぶりだな、お前元気にやってるか?」

「うん、まぁ…そこそこに。」


父が迎えに来て定型文の様な挨拶をする。

家に着けば、ちょうど夕飯時で

母が料理並べていた。


「お母さんただいま、今手伝うね」

そういって、食卓にお皿や料理を並べる。


「いただきます」


並んだ料理をバランスよく食べ

家族に近況報告をする。


「そう、あんたは昔からどんくさいからねぇ、

 上手くやれているか心配だったんだよ」

「うん、大丈夫だよ。」


あれ、食べ終わった後の箸ってどっちに向けておくのが正解だっけな


私は、周りを見ながら正しい子を続けた。

それが、私の役目だったから。

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