二時間前

『次は――――――』


 はっ! 私は寝ていたのだろうか? どうもここのところは体の調子がおかしい。先日、赤ん坊のミルクを頭にかけられてからというもの、どうもシャンとしない。


 私は、何をしていたのだろうか?


 そうだ。鞄を調べよう。


 まずはパソコン! 仕事の必需品だ! これがないと、他の機器への接続に手間取る。

 

 そうだ! なにか動画でも見るかな。私はパソコンを置き、起動する。


 うーん。猫も、犬も、ゴキブリも。癒し動画はどれも見たなぁ。おや? メールだ。


 見なかったことにしよう。そうしよう。


『オキャクサマ。オイリヨウノモノハアリマスカ?』


 客室のネコ型ロボットだ。


 ラインナップを見る。


 黒毛和牛味、次郎ラーメン味、おふくろの味……。


 うーん。接種欲はないな。いや、おふくろの味か……。


 桃源郷の如く煌めく実家に思いをはせる。


 不意に口内に広がる、少し古い調味料と優しい素朴の風味が、鼻を突き抜ける。

 

 私はおふくろの味を指で押す。


『カシコマリマシタ』


 ネコ型ロボットは行ってしまった……

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