化粧坂の夢
――――夢を見たのだ。
遠足に行く前日の夜。あるいは、当日の朝という言い方もできるかもしれない。
私は知らない道にいた。
とりたてて特徴的なものはない、なんてことない自然豊かな道。
どこかもわからないけれど、どこにでもある道。どこと言われても不思議ではない道。
だから、起きたときには記憶にも残っていなかった。
――『
その3文字が縦書きで書かれた、木製の煤けたような色合いの立て看板以外は。
夢の中ではルビが振っていなかったか、もしくは視認できなかった。
そのため、私は『“
――が、夢の中でそこにいたことも、看板を読んで抱いた感想もすっかり忘れていた。
しかし、私は現実でその地に降り立ったのである。
立て看板を見、『化粧坂』の正しい読み方を知り、今朝方の夢の記憶がよみがえったのである。
もしかしたら、テレビ番組かなにかで見たことのある景色が頭の片隅に残っていたのかもしれない。
でも、それならそうと、もう少しアングルが違っていても良いはずだ。
それに、私は当時からすでに、ほとんどテレビを観ないタイプの人間だった。
そして、現実で化粧坂に降り立った私が、夢の記憶を一瞬で取り戻すことができたのは、視界に映る景色が夢で見た景色と完全に一致していたからだ。
だから、この夢は、私が現時点で唯一見た予知夢だったのではないか――と考えている。
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