第6話
「神主さん、こんにちは」
声を掛けてくれた神主に挨拶をした.....。
彼は白髪の70代から80代の優しそうなお爺さんなのだが、背筋がシャンとしていてのどかにとっては年齢よりも若く見える。
「こんにちは、いつも来てくれてありがとう」
とにこやかにのどかに返す、彼女は「いいえ、いつもいつも迷惑じゃないですか?」と神主に問いかけた、いくら好きな場所とはいえ,毎日来たら掃除の邪魔とかにならないのかと心配していたのだ......。
「ところで___のどかちゃんはさっき神妙な顔で参拝してたけど、なにかあったのかい?」
神主はさっきの参拝を見ていたようで、全てを見透かした表情でのどかを見つめた........,..。
「____冬休み後の学校の登校で、突風に押されて遅刻を回避して以降、「いいこと」しか起きてない?」
のどかは神主に冬休み後の学校以降、自分に悪い出来事や嫌なことが一切起きてないことを話した。神主は「いいことの大きさと具合は?」とのどかに聞くと「起きた出来事は小さいことばかりでほぼ毎日.....突風以外だと、アイスの棒が当たったとか、思い通りの天気になる、好きな給食メニューの日に必ずおかわりできるですね......小さいことだけど、こうも立て続けだと気になって......」
神主は静かに思考を巡らせていたが、ふと思い立ったように「学校が始まる前に神社で参拝したかい?」と聞いてきた、何でこんなことを聞くのだろうと思っていたのどかだが神主の表情で
思い当たる事があるのだと悟り、学校が始まるまでの間の記憶を遡った、そして______
「元日の日、お父さんとお母さんとここに初詣に来ました......その時「今年も満月神社にたくさんのお参り客が来ますように!」ってお願いしました。」
のどかは初詣のことを話した........すると神主は
優しい表情でのどかと神社の鈴を見つめた......
「___きっと、神様は自分の願いよりも満月神社に関する願いをかけてくれた事が嬉しかったんだろう......」
「え?」
そう、のどかに起きた不思議な出来事は、自分のことよりも、神社の事を想って願いをかけてくれたのどかに対してのささやかな「プレゼント」だと神主は言うのだ、神主の言葉にのどかは思いもよらなかったようで「だって、まだまだ子供だから、神社が続く方法なんてわからなくて......それにおじいちゃんと散歩した,この神社がなくなるなんて嫌だったから......」
のどかはおじいちゃんとよく散歩でここに訪れていた、参拝したり、この神社に関する様々な話を教えてもらった__
「その優しさがのどかちゃんにとって楽しい日々を過ごすきっかけになったんだね__」
静かな、でも、優しい言葉にのどかは色々な思いが胸に込み上げた、そして___
神様にお礼を言うべくもう一度賽銭箱のある方へ踵を返した。
「____大切な場所を守るためにできることを増やさなきゃな」
鈴を掴む寸前、のどかは小さな声でそう呟いた。
除夜の鐘が叶える小さな幸せ サヤ @202211
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