第22話やめろやめろやめろ

結局全部採取された。


毛先も爪も少し切って、注射器で血液をとられた。ついでに皮膚も軽くとられた。

痛くはなかったけど気持ち的に嫌だった姉妹。

そして始終わくわくているフィルは試験管に入った採取したそれを眺めてる満足そうだ。



「よし、ありがとな」

「うええ、嫌な気分」

「丁重に扱うから安心しろ」

「それもちょっと嫌」



ぐったりと机に突っ伏すユウにフィルは笑う。

どーん!とそんなユウの背中にダイブするリオはじゃれあっている。いいなあ、と早くチカ。

わいわいと話していると研究員の一人が近づいてきた。



「フィルさん、ルーファス様がお呼びです。そちらの方々も…」



とユウ達を見る研究員。

「わかった、今行く」とフィルは返事をすると研究員はお辞儀をして去っていった。

するとフィルははあ、と大きくため息を吐いて雑に頭をかいた。

 


「ルーファスにどやされるな…」

「ルーファスって誰?」

「官人の一人で、所謂お偉いさんだよ。お堅いやつだから大人しくしとけよ、お前ら」

「「はーい」」



目を輝かせるチカを見てあ、妹がわくわくしてる。攻略対象だもんな、そうよな、と姉は黙った。

リオはたたた…と前を歩くフィルに隣に着くと言った。



「エディはいないの?」

「さあな、まだこの二人に会わせない方がいいだろ」

「そうだね〜」



と意味深な会話が聞こえるのでユウはチカにこっそりと話しかける。



「なんや、エディってそんなやばいやつなん?」

「やば…いというより多分尋問してくるからじゃない?ゲームでもそうだった」

「尋問…!?なんでや」

「ゲームでは主人公が聖女様として相応しくない行動してたから尋問される感じだったけど、私たちの場合もう既に怪しいからね」

「…そうやな」



確かに、と姉は納得する。それはそう。

そしてふと思ったことを口にした。



「あ、てかここはゲームの世界なんやろ。キャラの声どうなってんねん。声優やろ、元は」

「知らんよ。でも声優の声無限に聞けるの幸せやね〜」

「…あんま深く考えなくてもええか」

「まあ、乙女ゲーってわりと同じメンツの声優だし、他の乙女ゲーでもよく出てるってあるある」

「そうなん?知らんかったわ」

「うん、古◯慎とか斉◯壮◯とかね」

「おおう、やめろやめろやめろ」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る