第23話選択肢、知っていた?
「何度言ったら分かるんです。城を壊すなと言っているでしょう」
「ごめんなさい」
「…」
「デイル、謝罪は?」
「悪かったよ…」
とある部屋のドアの隙間から中を覗くユウ達。
部屋の中は椅子があるにも関わらず正座させられているアレンとデイル。そして色素の薄い茶髪の長髪の男性が立っている。大層ご立腹のようだ。
あれがルーファスという男性らしい。
「相変わらずお堅いよなあ。だからこそ官人になれたんだろうけど」
「確かに真面目そうではある」
「俺はああいうお堅いのは苦手だ。もっと砕ければいいのに」
「はは…」
視界の先では「貴方たちが暴れては他の従者に示しがつきません。城を直す手配するこちらの身にもなってください」とくどくどと怒られていた。
「あのデイルもルーファスには逆らえないの面白いよね〜」
「実際、戦ったらルーファスの方が強いからな」
「まあね〜、ルーファスの魔法は俺も苦手ー」
下からチカ、ユウ、リオと部屋の中を覗いている。隣で壁にもたれかかっている。フィル曰く今入れば巻き添えになるそうだ。
「ルーファスってそんな強いんだ」
「強いというか相性だな。俺たちみたいな物理攻撃はあいつの魔法と相性最悪だからな」
「(フィルって物理攻撃なんだ、研究員だからもっと賢い感じかと思ってたけど)ルーファスはどんな魔法なの?」
「おや、私のことが気になりますか?」
少し目線をフィルの方に移していればドアを挟んだ反対側にルーファスがいた。にこり、柔らかい笑みを浮かべて姉妹を見下ろす。
あ、とユウは声を漏らす。
「こ、こんにちは…」
「こんにちは、こんなところで何ですから、中へどうぞ」
「はい」
よくいるよなあ、穏やかな人ほど怒ると怖いって。
「お菓子あるー?」とリオも入っていく。
ここにいる全員が椅子に座る。うわ、妹の目が輝いてる。眩しい〜と姉は目を細める。
「初めまして、お二方。フィルから聞いてると思いますが、私はルーファスと言います」
「ユウです…」
「チカです!」
これから尋問が始まると思うとげんなりするユウはあ、でもエディって人いないから大丈夫か、となんて一安心する。
「お二方とは一度話をしてみたいと思っていたんですよ、肩の力を抜いてリラックスしていてください。そんなお堅いことを聞かないので。ね、フィル」
「はい」
あ、ルーファスがフィルに睨みを効かせた。多分、彼には誰も逆らえないんだろな、とユウは思う。何となく彼らの関係図が見えたような気がする。
「ではまず、ユウさんから質問よろしいでしょうか?」
「ん?いい、むぐ」
すると隣に座ってたチカの手が姉の口を塞いだ。「あ、ごめん、虫いた」とあっけらかんに話す妹には!?とユウはびっくりした。
「ちょ、何するん!?今口開いてたんやけど!虫食べたかもしれんやん!」
「そうかも」
「そうかも!?うええ…!」
床に跪く姉は気持ち悪ううと青ざめる。
そんな様子を見ていたルーファスは「ふふ、面白いお姉さんですね」と微笑ましく見守る。
アレンがユウの元に来て、肩を抱く。
「ユウ、大丈夫?」
「ちょっと吐きに行ってくる」
妹よ、覚えておけよと姉は半泣きになると椅子に座っていたリオは言った。
「まあでもチカちゃんナイスかもね〜。あそこで頷いてたらユウはルーファスの魔法にかかってたもん」
「え、?」
「こら、リオ。簡単に教えるものではありませんよ」
「ルーファスの精神操作魔法は相手に了承を得たら魔法がかかるんだよ。いいよーなんて言ったら心の隅々まで喋らされてたね」
え、怖、とユウは青ざめてルーファスを見ると、彼はにこりと微笑んだ。
いや、怖い。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます