第17話ひそひそ話
「アレンいいのー?二人にしちゃってさ」
「リオ」
ここは城にある書庫。ずらりと並んだ本をリオはひょいひょいと手を取っていく。
リオはなんだか納得してない様子。聖女様が二人召喚されたと聞いて疑っているらしい。
「疑ってるならまだ見張ってていいよ」
「むー。姉の方は起きてるみたいだけど動く気配ないんだよね」
「暇で俺に愚痴りにきた?それとも逃げられて欲しかった?」
「もー!意地悪ー!」
リオは天邪鬼らしい。
ぷんぷんと怒るリオにアレンはあははと笑う。
するとアレンはどさ、と重く分厚い本を数冊リオに渡した。
「ほら、それ持って聖女様の部屋に行こう?」
「こんなに持っていくの?これ聖女様の日記とか研究結果だよね?」
「うん、多分だけど彼女達は自分が聖女様かどうかすらもわからないんじゃないかな」
「…」
じと、とリオはアレンを見つめる。その行動にアレンはわざとらしく首を傾げる。
「アレンはあの二人のこと疑ってないの?」
「疑ってるよ。だからこうして聖女様のこと知ってもらおうと資料を持っていくんだよ」
「ほんとお〜?」
「ほんとほんと。まあでも、同じくらい信じようとは思ってるよ」
どっち?とリオが聞こうとした瞬間、「おい!アレンはどこだ!!」と荒々しい声が聞こえた。「あ、もう戻ってきたんだ」とアレンは怯まず呟く。
書庫に入ってきた大柄の青年。オレンジの髪に緑の目をした男。
「おかえり、デイル。早かったね」
「アレン!てめえ、わざと俺に魔物退治に行かせただろ!聖女が召喚されたなんて今知ったぞ!」
「何のことかな?それより怪我してない?」
「してねえ!俺を舐めやがって…!ここでぶっ殺してやる!」
「だってこんな強面を聖女様に会わせたら怖がられると思って。まあいいや、デイル。これ持ってね」
「あ?」
どさ、と大量の本を渡されるデイルは呆気とした。
なんだあ、これ、と声を漏らすデイルにアレンは笑った。
「聖女様に会いにいくよ。まあでも、チカちゃんは具合悪いから静かにね」
「チカちゃん?誰だそれ」
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