第16話姉妹とは
前回は約束を破り、部屋を出た。出た後待ち伏せしたリオに捕まった。前回は侍女に殺されたが彼女達からの信頼があったとしてもここで逃げればリオに殺されていたかもしれない。
(…なんて考えすぎやな)
「お姉ちゃん…?」
ソファに座っている妹は声を細くして姉を呼ぶ。ユウはぱっと表情を明るくして妹の元に駆け寄ると手を取った。
「さあ、少し休もう。お姉ちゃんも疲れたわ」「うん…」と会話して二人でベッドに潜り込む。
「お姉ちゃん、もう一人で牢屋に入るとか責任を負うとか言っちゃダメだからね…」
「そうやな、お姉ちゃんが間違ってたわ。チカを一人にさせることはもうせんよ。ごめんな?」
「うん…次やったら許さないからね…」
「うん」
限界が来たのかチカは眠りにつき、小さな寝息を立てる。
静かな部屋、チクタクと時計の音がよく聞こえる。ユウは体を起こして妹の手を握る。
妹は私が守る。両親がこの世界にいない今、この子を守れるのは姉である私だけ。
モブキャラからも攻略対象からも、この世界からも、この子を守ってみせる。
自分自身、どちらが聖女なのかはわからない。でもそんなことどうでもいい。
この子が幸せなら私は何だってやってみせる。
ふと幼い頃を思い出した。
私が小学4年生くらいの頃だろうか。その頃妹はずっと入院していた。学校には通ってなかった。
妹に教えられるようにと私は勉強を頑張った。そのおかげか、テストはいつも100点だった。
「お姉ちゃん、これはなんて読むん?」
「これは田んぼ!でこれはー…」
学校が終わった後、毎日妹の元へ駆けつけた。
両親な共働きで会う時間は少なかった。でもそれでも平気だった。学校でも友達はいたし、妹は素直で良い子だ。
辛いと感じたことはなかった。寧ろ1番辛いのは妹だろう。学校にもいけず、友達も作れず独りぼっち。
お姉ちゃんである私が守らなければと誓った。
これはただのエゴでも偽善でもない、正義なのだ。
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