第13話少し変わった運命で

「選択させてあげる、お姉ちゃん。これから降りかかる責任を君が背負うのなら妹の方は牢屋に入れない。断るのなら姉妹揃って牢屋行きだよ」



さあ、どうする?と再び選択肢に迫られる。


やはり、ここは選択肢だと確信した。選択肢でなければ同じ質問をするわけがない。

前回はここで妹と共に牢屋に入る選択肢をした。あれはきっと間違いだったのだろう。



「分かった、私が全ての責任を背負おう」



そう言い切ると妹は大きな目に涙を溜めてユウにしがみついた。ぐっと高校の制服に皺が強く寄る。



「い、嫌や!!お姉ちゃんと離れるなんて嫌や!!」

「チカ、お姉ちゃんは大丈夫やから」

「嫌や嫌や!!一人にせんで!ねえ、お姉ちゃん!一人は嫌や!」

「大丈夫、すぐチカのところに戻ってくるさかい。チカは強い子や、泣かんで」



泣き始める妹を宥めるが、この選択肢は心苦しい。本当にこれであっているのだろうか。


すると、ぱちぱちと拍手の音が聞こえる。アレンが拍手している。

「いやー、素晴らしい姉妹愛だね、涙出るよ」と全く泣いていない。



「じゃあ牢屋に向かおうか。勿論姉妹二人でね」

「え?」

「まさかお姉ちゃん。自分だけ牢屋に入れられると思った?まっさかー、妹も一緒だよ」

「は、は?」

「さっきのは嘘。お姉ちゃんだけ牢屋に入れて妹が逃げられたら溜まったもんじゃないからね。二人仲良く牢屋に入ってもらうよ」

「お前、嫌いやわ!」

「あはは」



選択肢を変えても何も変わらなかった、のか?と姉はげんなりする。

そんなユウに前を歩くアレンの表情は見えなかった。


その表情は薄暗い影を作り、冷たい表情をしていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る