第12話選択肢、再び

妹は必ず守る。その為に私は死んではいけない。



「俺はアレン。よろしくね」



自己紹介するアレンも姉妹のことを覚えていないようだった。


前回死んだ理由はきっとこうだ。あまりにも攻略対象に冷たくし過ぎたせいで侍女に疑われ殺された。


と、考えつくのは理由がある。

元の世界にいた時に妹が言っていた。



「うわ〜、また死んだあ〜あ〜」

「なんや、何のゲームしとるん」

「乙女ゲー!またバッドエンド踏んで死んだ!」

「…乙女ゲーって死ぬん?」

「そりゃね、何回も死ぬで」

「乙女ゲーなのに?」

「乙女ゲーやから」



という話をしたようなしなかったような…いやした。


乙女ゲーって死ぬんや。


というのを身をもって体感した。乙女ゲー、乙女に厳しすぎる。



(乙女ゲーって平和に恋してキラキラしたもんやと思ってたけどそうやないらしい)



少なくともこの世界は。


話を戻すが、確かにいきなり不審者が城にやってきてあんな怪しい態度を取れば疑われるだろう。

ここは友好的に接するのが最適解だ。


今はあの白い部屋を出て、アレンについて行って…これから牢屋に向かうところだ。

おそらく、この後選択肢がある。

フィルと出会い、アレンと二人で喋る。その間攻略対象だ!と、目を輝かせる妹。


妹は前回の記憶はないらしい。よかった、と姉は胸を撫で下ろした。

死んだところなんて見られていないだろうか。…あまり考えるはよそう、と姉は決めた。



「フィルは何か聞いてる?」

「二人召喚されるなんて聞いたこともないな。聖女様は一人だろう」

「そうだよね。取り敢えず…牢屋に閉じ込めちゃおうかなって」



やはり。ここは変わらない。

驚き怯える妹は姉の背中に隠れる。



「ごめんね、聞いてた状況と違うから一旦牢屋に入ってもらうよ」

「な、なんで私たち何も悪いことしてない…」

「うん、そうかもね」



悪びれもなく近づくアレンに姉は妹を隠すように腕で彼女の視界を塞いだ。

その様子を見たアレンはスッと冷たい目線を送るがすぐににこりと微笑んだ。しかしそれに姉は気づかない。



「君たちの姉妹愛は素晴らしいね。緑の髪の君、お姉ちゃんだよね」

「そうだよ、私はお姉ちゃんだから幼い妹のことは守らないと」

「…」



アレンは目線は左に流して黙ってしまった。あの柔らかな雰囲気と違う表情に気づいたユウは?と疑問に思うが、今口に出すべきではないだろうと彼を見つめるだけ。

前回なんて言ったか細かいところまで覚えていない。

でもここが選択肢だとしたら、



「この世界はわからないことばかりだろうから一つ教えてあげる。ここでは16になったら皆大人扱いなんだ。責任も何もかも自分で背負わないといけない。見たところ二人とも大人だろう」

「…」

「だけど、君の妹が責任を負うのはまだ早いだろうと流石の俺も思うよ」

「…」

「選択させてあげる、お姉ちゃん。これから降りかかる責任を君が背負うのなら妹の方は牢屋に入れない。断るのなら姉妹揃って牢屋行きだよ」



さあ、どうする?と再び選択肢に迫られる。

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