共通バッドエンド②「貴女は誰?」
第11話巻き戻る世界
「……っ、はあ…!」
息苦しさに目を覚まして上体を起こす。寒気のする嫌な汗と手が震えている。生きてる…?と疑問に思いながら震える右手で刺された筈の腹に触れる。傷も痛みもなく、不思議に思っていると、妹が話しかけてきた。
「お姉ちゃん、顔色悪いけど大丈夫…?」
「チ、チカ…」
妹が心配そうに姉の顔を覗き込む。
何故自分は生きているのだろうか、と。死んだ筈では、と冷たくなっていく身体を思い出す。
でも今はとりあえず大切な妹の前では平静を装うことに決めた。
「大丈夫や!…えと、ここは…」
見たことのある白い部屋。ここは聖女様を呼び出す儀式を行う為の部屋。
何故ここに?と首を傾げる。私は確か屋敷の部屋にいた筈だけれど、と思う。
妹はもしかしてここは…と目を輝かせている。
「チカ、どうしたん?そんなわくわくして」
「え!?し、しとるけどー…いや別にしてへんよ?」
「?兎に角はよ帰ろ」
姉は少々力づくで妹の腕を掴む。何が起きて自分が生きているのか分からない。でも早く元の世界に帰らなければ。
「い、嫌や!帰らん!!私、この世界から帰らんもん!」
「は、はあ?何言っとんねん」
「やだーー!!こんなこと死んでも起きん!帰りたくない!!!」
妹のその台詞にピンときた姉は固まる。この台詞少し前に聞いた。
そうだ、この世界に初めて来た時も妹は同じことを言っていた。
姉は信じられない、と言った顔で妹から手を離す。
「チカ、変なこと聞くんやけど…ここに来てどれくらい時間経った?」
「?さっききたばっかやろ?私もついさっき目覚めたばかりやし」
「…」
「どうしたん、お姉ちゃん」
信じられるだろうか。時間が巻き戻っている?
いや、都合のいいことは信じよう。そうすれば私が死んだことも全てなかったことになるのだから。
そういえば、死んだ時知らない男性の声が聞こえた気がする。
何か言っていた気がする。…何も思い出せない。
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