第4話 弟と妹ならどっちがいいかな

 僕はリベルト。愛称はリディ。

 ひょんなこと……ではないけど、とにかく転生してきた七歳児。なので知識はそれなりにある。

 それなりにあるから、弟妹がどうやってできるか、もう知ってる。


 両親の楽しい家族計画の話を、何も知らないふりして聞いていたわけだが。

 その計画のおかげで、僕はひとりで寝ることになった。父さんと母さんに挟まれて寝るのが楽しかったのに。ちくしょう。

 とはいえ、代わりの楽しみができたので良しとしなくてはならない。


 夜。僕が寝静まっているはずの時間帯。

 頃合いを見計らって、僕は普通に起きて部屋を抜け出す。足音を出さないように両親の寝室へと向かい、すこ~しだけ扉を開ける。


「おぉ」


 思わず感嘆の声がもれる。部屋の中には一糸纏わぬ父さんと母さんの姿が!

 母さんは美しい色白の肌に豊満な肉体を持っているし、一方で父さんは騎士らしく鍛え上げられた筋肉質の身体をしていて、どちらも見応えがある。

 そんな二人のまぐわいが始まるというのだから、眠い中、見に来る価値があるというもの。


 おぉ、そんなに強く掴むのか。意外と母さんはMっ気があるんだな。それでいて流石は人妻、なんだか手慣れている。

 父さんのは思ったよりでかい。入るんだろうか。入るんだな、あれ入るんだな。

 母さん、普段と全然違う声出してるな、新鮮だ。うわ、そんな姿勢になるのか、筋肉がある男じゃないとできないような体勢だ。頑張って身体を鍛えよう。


 等々。あーだこーだと感想を抱いている間に何戦かが終わってしまった。

 今日もいいものを見れた。いずれは何かの役に立つだろう。

 僕が生まれたときもこんな感じだったのだろう。そう考えるとちょっとむかついてきた。羨ましい。


 せっかく新しい人生になったのだから、僕もこういった経験はそのうちしたいものだ。



 そうして一年もすれば妹が誕生したのだった。


「おぎゃーおぎゃー」

「おーよしよし」


 寝台の上で泣いている妹を撫でてあやしてみる。あまり効果はない。

 頭髪も薄いし身体も小さい。手なんか僕の指を握るので精一杯の大きさだ。なんとも可愛らしい。


 妹はミラ、と名付けられた。何の変哲もないただの赤ん坊だが、自分の妹というのはどうも可愛くて仕方ない。

 もしかしたら生意気に育ったり、仲違いしたりするのかもしれないが、少なくとも今は幸せな気持ちでいっぱいだった。どうせなら弟もいてもいいかも。


 妹が誕生してからさらに二年が経過した。

 その間も、心配するような出来事は何もなかった。暴力を振るわれることも無視されることもなかった。

 街の人々でさえ、僕に優しくしてくれた。顔を合わせれば挨拶をかわすことができて、調子はどうだい、と聞いてくれる。


 父さんと母さんの様子が変わる、なんてこともなかった。本当に、なにひとつとして不満のない日常だった。

 強いて言うなら魔法に関してはなかなか上達しなかった。独学では難しいものらしい。


 だから、父さんが先生をつけようと言ってくれたときは飛び上がるほど嬉しかった。

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