混戦

二人は走り、少し離れた開けた場所で足を止めた。


ニコ

「すぐ整えて。追っ手が来る」


カイ

「なるほどな。だからここか」


「油断すんな。今回は手練だ。やばかったら逃げろ」


「逃げるわけないでしょ。カイこそ気をつけて」


背中合わせに立ち、気配を探る。


……カサッ。


反射的に二人が動く。

カイは即座に反転。


来た。


ニコが振り向いた時には、すでに刃が交差していた。


さらに一人。

横から、また一人。


囲まれる。


カイは間を縫うように斬り、テンポを崩さず敵を落とす。

ニコは正面を受け流し、押し返す。


「ニコっ!」


呼ばれた瞬間、屈む。

その上を、カイが跳んだ。


間髪入れず、次。


息を合わせる必要すらない。

考える前に、身体が動く。


だが、数が減らない。


「……キリがねぇな、ニコ」


「まだ! 面倒くさがるな!」


「ちっ、怒られたじゃねぇか!」


悪態をつきながら、カイはさらに踏み込む。


――どれくらい経ったか。

影が、少しだけ伸びていた。


「はぁ……はぁ……」


「はぁ……ニコ、無事か」


「あぁ……なんとか……」


肩で息をしながら、ニコが答える。


「よくやったな。これ縛って運ぶの、骨だぞ」


「あぁ…準備してあるから…大丈夫」


「まだ息整ってねぇのか。体力ねぇな〜」


「カイがおかしいんだよ」


ニコは筒を取り出し、火をつけた。


「あ〜、煙か。いつの間に?」


「あの村の人達、協力的で助かったよ」


呼吸を整えながら、二人は手際よく縄を回す。

起きられると、面倒だ。

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