第14話 父と母

 奥さんの御実家に尾形君と到着しました。

「ごめんください」

「はい・・・」


「あ、わたくし先ほど連絡させていただきました式マルダ

と申します、それと私の助手をしている尾形君です」


「尾形と申します」


「はい、どうぞ、お上がりください」


奥さんの息子さんが奥から飛び出してきました。


「おじさんっ!」


走ってきてシキの膝に抱きつきました。


「おー元気そうだなーおい尾形君、おみやげ」


「ハイ」

アニメキャラのぬいぐるみを買っていきました。


ぬいぐるみの背中にはファスナーが付いていて小物入れになっています。

中には静華さんが送ってくれた護符とお守りが入っています。

「そーら、これ、おみやげだぞうぅー」

「えーっ、やったぁー!」

喜んでもらえました。


 私は、まず事の経緯を説明して目の前にいらっしゃる奥さんのご両親に対して止む終えず娘さんに暴力をふるってしまった事を、

お詫びいたしました。


そしてお見舞い金を差し出し再度、お詫びいたしました。


「式さん、お気持ち、ありがとうございます、しかし、これは受け取るわけにはいきません、どうぞ、お持ち帰りください」


「いや、そうは、おっしゃいますが気持ちが収まりませんし、この金で、すべて済まそうというのではありません病院代など、すべて持たせていただきますので・・・」


「あーいやいや、とんでもございません、

そういう意味ではないのですよ式さん。

むしろ私と家内は式さんに感謝いたしておるのです」


「・・・」私と尾形君は黙りました。


「朝の事件に次いで夜の大騒ぎ・・・

うちの娘が大変ご迷惑おかけ致しました、申し訳ございません

孫にも聞いております、朝の事件の時、知らない、おじさんが助けてくださったと・・・

その後、うちの娘が孫を預けに来たとき様子がおかしかったのに気がつかなくて、まさか、こんな事になるとは思っていなくてですね・・・」


 お父様とお母様は泣いていました・・・


「病院に駆けつけた時に刑事さんが付いていらっしゃいまして

小林さんという方です「ご苦労様です」と声をかけられましてね、

事のいきさつを話してくださいまして、

あの刑事さん良い方ですねぇ・・・

どうか式さんを責めないで欲しいと、おっしゃってましたよ。

式さんが私の娘を止めなければ、娘は・・・あのは・・・人殺しになっていたと・・・」


「・・・」


『こういう時なんと言えばいいのか』


「お父さん、娘さんは、そんなに悪くないかもしれませんよ、悪いのは、あの家と、もう一件のお化け屋敷です」


「お化け屋敷?ひょっとして、あの川沿いのアパートですか?娘に言われて業者を調べたりしましたが」


「そうです、こういう話あまりしたくないのですが、そういう話、お父様は信じますか?」


「はい、信じます、若い頃は、そんなの考えたこともなかったのですが長い間、建築に携わるうちに祠を動かして祟りがあったり

家の増改築後、依頼主が完成後すぐに亡くなったり

というのが何件もありましたので

今は、そういう事もあるのかなと思っております」


「そうですか、それでしたら話がしやすいです、なぁ尾形君」


「はい先生」


現在の状況を簡単に説明し話が進みます。

「それでは、そういうことであの家の井戸に関しては、お任せ下さい

娘さんの旦那さんにも、お父様とお母様から、お話いただいて

了承、貰っていただけますか」


「はい」


「もし都合の悪いことが起きましたら、こちらの電話番号に、すぐご連絡ください」


「はい」


「それと、このお金、こういう時のための、お見舞い金でして

元々私のお金ではありません気にせず受け取ってください、

なんでも言ってください」


「ああ・・・もう、そのお言葉だけで充分です私にもいくらか伝手がありますので、しかし・・・・あの本当に良いのでしょうか・・・

では大変申し訳ないですが・・・このお金、ありがたく頂きます、こんなに・・・」


「はい良かったです、それと、もひとつ、この家にも何枚か護符を貼らせていただきたいのですが、いかがでしょうか

目に見えないものから守ってくださいます、あとこの、お守り、お孫さんとお二人に・・・」


鞄から用意していた御守りと護符を取り出しました。


 その時、私の携帯が鳴りました。

『非通知』です、静華さんだと思って、すぐに出ました。


「はいシキです、静華さん?」


「いいえ違います、静華の兄の政一郎せいいちろうと申します」


え?お兄さん?

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