峰岸(部長)編 ②

「和戸さん」


 声をかけて、彼女は振り向いた。人づてに聞いて辿り着いたのは図書室。クラスメイトに強引に手伝ってくれといわれて、ミス研の部室に来れなかったそうだ。


「私が部室に行かなくても別に問題ないでしょ?」

「いや、部費の請求をするために全員の活動してる写真がいる。だから、定期的に来て欲しい」

「部費なんていわれても私は使わないし」

「新しい本を買うのに必要だからさ」


「……おかしいわね。こないだ見た時は4年ほど前のが新刊コーナーにあったわ。妙に必死だし……まさか、部費を他の事に使ってない?」


 ぎくりと俺は表情が固くなってしまったかもしれない。なかなかに嫌な指摘をしてくるな、和戸さん。


「その話は置いといて。活動写真を撮るって大事だろ。あった方が内申に有利だってきいた」


 俺の言葉に、和戸さんは目を輝かせた。なんてわかりやすい。


「それなら行きたいけど……でも忙しいのよ。きてくれって思うなら、これを全部片づけてよ、一緒に」


 これ、といわれた視線の先を見やる。

 目の前に本がたくさん積まれていた。


「なんだよこれは」

「借りたい本ですって。次々に依頼くるの」


 これを? 

 手伝うのも面倒だな。


「終わらないのよ。昨日からずっと変なメモを渡してくる人がいるし……」

「変なメモ?」

「そうよ。さっき、『できましたか』ってその人に聞かれたけど。なんなのよ、メモを何度も渡してくるし、その割に昨日から用意した本を持って帰らないし」


 すると和戸さんは俺にメモを見せた。

 どれどれ……。


 順番は下記の通りにしてください

1.アンダーワールド

2.罪なき密室

3.やまたのおろちでんせつ

4.カイコガは進化か退化か

5. センテンス

6.幻と静かなきおく

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