峰岸(部長)編 ①
先日――いや、半月ほど前だろうか。
ミス研に入った女子が、こうも部室にこないとは思わなかった。幽霊部員を希望していると思っていたが、ガチだとは。
「もういい、私が欲しいのは在籍という形だけだし」と。冗談だと思っていた。まさか、本当にこなくなるとは。こないならこないで構わないじゃん、といったら今度はメガネくんがキレた。
「それじゃダメなんです」
「なんで?」
「部費の請求に、活動内容を記載した写真と用紙が必要です。部員全員の活動している写真。部長が毎日買っているいちごミルクは部費からです。すでに私物化して、横領みたいなもんですが」
「横領とは人聞きが悪い。実際は俺が一番部活にきてるんだし、ミステリーの本だってたくさん読んでる。つまり、活動内容に貢献してるじゃないか」
「僕は納得してません。使うのが本ならわかるのに。何より納得いかないのが、いちごミルクってところが。名称がさらにダメです。だって、それ無果汁じゃないですか」
俺は成分表を改めてみた。
いちご(無果汁)……みなかったことにする。
「香料でしたよね、ミルクっていってますけど牛乳じゃなくて
「いま、それは関係ないだろ……! いいや、この際だからハッキリいう。成分なんて関係ない! 俺はこの甘ったるい、いちごミルクを愛してるんだ」
「部費がないと、その愛する
人質……いちごミルク
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