第3話ピンクワールド
教室中が一気にピンク色に包まれた。
この全身ピンクな感じ…動画で見た通りの恋恋先生だ…
見た目はめっちゃ奇抜だけど、その見た目と裏腹に生徒たちに寄り添えるめっちゃ優しい先生らしい。この番組のマスコット的存在らしくて、恋恋先生ファンも結構多いんだとか。
そうだそうだ。この人が進行してくれるんだった。
緊張していた俺はすっかりこの人の存在を忘れていた。
「もうーみんなそんなカチコチに緊張しないの!ふふ。まずは自己紹介からしていきましょうか♡」
自己紹介は窓際の人から始まった。
「えーとこんにちは。高校三年生の
金髪にピアス。制服もなんかちょっと着崩してる感じ。なんて言うか、うん、チャラい。
「同じく高校三年生の
おっとりとした口調で落ち着いている感じ。お姉さん系って感じっぽい?
「はーい。高校1年生の
レッドブラウンに染めたロングの髪がクルクル巻かれている。Theギャルって感じの子だ。
「こんにちは!高校1年生の
恋リアには珍しいまさかの坊主。なんかおちゃらけていて絡みやすそうな感じ。
その後も次々と自己紹介が続いた。
正直、全員の顔と名前をこの時間に覚えられる気がマジでしねぇ。
「
あ。この子確かJCミスコンのファイナリストの子だ。前に佐々木さんの担当タレントにもファイナリストの子がいるとかなんとかでわざわざ俺にもファイナリスト全員のことを佐々木さんに熱弁されたから覚えてる。
「高校二年生の
爽やかに彼は微笑んだ。うわ、こういうタイプは女子にモテるやつだわ。
「…同じく高校二年生の
桜って言葉がすごく似合う子だった。ホンワカとしていて、なんて言うんだろう。なんか、守ってあげたくなるみたいな…
「よし!じゃあラスト!自己紹介お願い♡」
恋恋先生に言われて俺は席を立った。
「速水暖です。同じく高校二年生です。サッカーやってました」
「え!のん様じゃん!俺知ってるよ!」
俺がテンプレみたいな普通の自己紹介をしていると坊主の太陽が俺の方を見ながら大声で言った。
「え、俺の事知ってんの?」
「もちろん!TikTokでダンスしてる動画俺めっちゃ見たもん!うわ本物えぐ!」
「まじか!動画見てくれてんだ!サンキュー!」
太陽のおちゃらけぶりにつられて、張り詰めていた緊張が緩んで俺も自然に喋ることができた。周りのやつらもつられて笑っている。
「みんな自己紹介ありがとう!これからは仲を深めるためにも男女関係なくみんな下の名前で呼び合いましょうね♡さーて!みんな自己紹介終えたところで、みんな『週ここ』について知ってるとは思うけど一応おさらいしときましょ♡」
ニコニコと笑みを浮かべながら恋恋先生は『週ここ』について説明し始めた。
「まずあなた達は今日を入れて計4回この秘密の学校に放課後集まるわ。この学校に来るのは1週間に1回よ。この学校に集まってご飯を作ったりスポーツをしたり、色んな青春を楽しみましょ♡
そして最終回。あなた達の中で告白したいと思った子は朝、自分が告白する相手の下駄箱にこっそりお手紙を入れてね。お手紙には何時にどこに来て欲しいのかをしっかり書くこと。自分の名前を書くかどうかはあなた達にお任せするわ。告白する時間については被ると大変だからこっちで決めさせてもらったわ。後で確認してみてね♡
あ、ここはカットされる前提で言わせてもらうけど、告白する場所は自由だけど、スタッフさん達には事前に場所と告白する人は伝えておいてね。カメラで取れなかったら意味が無いでしょ?あとちなみに最終日の朝はまず手紙を入れる子も入れない子も下駄箱の撮影をして、その後順番に登校するって感じ。下駄箱の撮影の時に手紙を入れたい子は入れてね」
…え、先生、裏側の話普通にし始めたけどこれって大丈夫なのか?
「あとこれも大事なんだけど、あなた達が会えるのは1週間に1回だけ。この撮影の期間はプライベートでもなるべく顔を合わせないようにしてね。この番組のコンセプトが崩れちゃうからね♡」
……いや恋してるのに会っちゃダメとか結構鬼畜だなぁ。まぁでもそういう番組だから仕方ないんだろうけど。
「さぁ!私からの説明は以上だけど質問ある子はいるかしらー?」
恋恋先生がはーいと右手を上げながら俺たちを見渡す。
スっと誰かの手が上がった。誰かと思って見るとあのチャラそうな翔吾だった。
「せんせーい。LINEで話したりするのはいいんですかー?」
「いい質問ね♡LINEは基本OKよ!でもビデオ通話とか電話は遠慮してほしいわ。声が聞こえたり、画面越しでも顔が見れちゃったりしたらそれもちょっとコンセプトを壊しかねないからね。でもメールはOKだからじゃんじゃんしちゃいなさいね♡」
「しゃあ!後でみんなのグルラ作ろうぜー!」
太陽がガッツポーズを取りながら大声で言った。みんなも「やったー!」と声を弾ませている。
「それじゃあみんなお待ちかねの初回のレクリエーションを発表するわよぉ」
わいわい騒いでいたみんなの動きが止まり、全員が恋恋先生を見つめる。
俺もゴクリと唾を飲み込んだ。
何が始まるんだ…!
「今日は……みんなで一からカレー作りよぉーー!!」
恋恋先生のビブラートを聞かせた美声が教室中に響き渡った。
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