第11話 本当に強い人
本当に強い人とは、
どんな人だろうか。
前は、折れない人だと思っていた。
止まらない人。
弱音を吐かず、結果を出し続ける人。
でも、うつ病になってから、
その定義は完全に変わった。
本当に強い人は、
今この瞬間の自分の状態を、受け入れられる人だと思う。
元気なときは、元気な自分を。
動けないときは、動けない自分を。
無理に上書きせず、否定もせず、
ただ「そういう状態なんだ」と認められる人。
それは、簡単なことじゃない。
社会はいつも、
「もっと」「まだできる」「次へ」と急かしてくる。
立ち止まることを、弱さとして扱う。
でも、止まる勇気のほうが、
よほど強さがいる。
本当に強い人は、
人生をコントロールしようとしない。
うまくいかない流れも、
思い通りにならない日々も、
そのまま噛み締めることができる。
苦しさも。
不安も。
小さな安心も。
何も起きなかった一日も。
全部を排除せず、
全部を味わいながら、生きている。
うつ病になって、
それができるようになったとは言えない。
でも、少しずつ、
そう在ろうとするようにはなった。
今の自分は、
強くもないし、立派でもない。
ただ、
今この瞬間の状態から、逃げなくなった。
それでいいと思っている。
人生は、
勝つものでも、完成させるものでもない。
その時々を、
噛み締めながら通り過ぎていくものだ。
本当に強い人とは、
そうやって、
今日を引き受けて生きている人のことだと思う。
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