第8話 資本主義は森のようなもの

資本主義は、森のようなものだと思う。


みんなが同じ森に入り、

中央にある宝石を奪い合う。

早く、強く、効率よく動ける人ほど有利な場所。


その森で生きられなくなったとき、

自分は負けたのだと思っていた。


でも今は、

そもそも森に入っていない感覚がある。


少し離れた場所で、

古い古民家に住んでいるような感じだ。


便利ではない。

派手でもない。

雨漏りもあるし、寒い日もある。


それでも、自分の呼吸の速さで暮らせる。

誰とも競わなくていい。

宝石の数を数えなくていい。


うつ病になったことで、

健常者と同じ地図を使わなくなった。


それは遠回りかもしれないし、

評価されない生き方かもしれない。


でも、人生の終わりを見据えたとき、

この静けさは、案外悪くないと思っている。

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