第7話 価格設定──「ロイヤリティ」「価格」

 「はじめに」で述べたとおり、わたしがKindle本を出版しようと思った目的は、「読者に届けるチャネルを増やすため」だった。

 これを大前提としたとき、価格設定とロイヤリティオプションは、選択の余地がなかったと言っていい。


 これは販売促進にもかかわってくるが、選択が必要なのは、ロイヤリティを売上に対して、70%にするか、35%にするかだ。

 下記ヘルプページにロイヤリティに関するリンク集があるので、必要な部分を読んでみてほしい。

 https://kdp.amazon.co.jp/ja_JP/help/topic/G202181110


 今回は、Web小説作家にとってクリティカルな部分、わたし自身の目的に大きくかかわる部分を取り上げる。


■ロイヤリティ70%

<メリット>

・言わずもがな、利益率が高い。

・KDPセレクトというプランに登録すると、販促特典が利用できる。

 - Kindle Unlimitedでの配信が可能(読まれたページ数で分配金獲得)

 - 期間限定割引価格での提供が可能

 - 登録から90日間の間に、最大5日間無料提供が可能


<デメリット>

・Kindle以外での作品配信は、有料・無料にかかわらず禁止。

 https://kdp.amazon.co.jp/terms-and-conditions

 ※「KDPセレクトプログラムの利用規約」>「1 独占期間」参照


 ……うん、メリットが大きすぎて、つい「KDPセレクト」のチェックボックスをONにしたくなってしまうし、KDP側もめっちゃ利点を推してくる。

 でも、Web小説作家に致命的なのは、デメリットの方。Web小説投稿サイトの作品を非公開にしなければならない。


 目的に立ち戻ってみよう。

 わたしは、「多くの読者さんに作品を読んでもらいたい。そのチャネルを増やしたい」と思って、Kindle本化を始めようとしたはずだ。

 ここにきて、Kindleだけに配信経路をしぼるのって、どうなのだろう?


 Web小説投稿サイトで、「冬の女神と純潔の贄姫」は、短編ながら1,600PV以上読んでいただいている。

 ある投稿サイトの童話ジャンルでは、日間はまちまちだが、週間・月間・四半期・年間ランキングの1ページ目に入っており、そこからの導線で継続して読まれている状況だ。

 カクヨムコン11短編や、他投稿サイトでのイベントにも参加中だし、これを非公開にするという選択肢は、現時点でない。

 そうすると、もう下記を選ぶしかないのだ。


■ロイヤリティ35%

<メリット>

・Kindle以外での販売や配信を継続できる。

・最低価格はあるが、価格設定が比較的柔軟。


<デメリット>

・利益率は、低くなる。

・購入されないと、利益が発生しない。


■価格

 じゃあ、いくらで買ってもらうか?

 34ページの短編、しかも全くの新人作家。

 ご挨拶代わりの一冊として、広く読んでもらいたいという意味で、わたしは最低価格の「99円」に決めた。

 1冊売れたら、32円の利益。


 ちなみに、日本以外の地域で販売するときは、各国別に最低価格が決まっているので、これもわたしは全て最低価格で設定した。


 これで必然的に「一般読者さんに購入して読んでもらう」という新しい挑戦が始まることになった。

 たとえ99円とはいえ、購入というアクションのハードルは、低くはないはずだ。

 一体どれくらいの人に、手に取ってもらえるのだろう?


 まぁ、Web小説投稿サイトのほうで、イベントが終わり、完全に読まれなくなったら、KDPセレクトに登録して、Kindle Unlimitedで販促するというのもありだけど、「今ではない」という結論に落ち着いたのだった。

 冬限定の童話だし、販促するなら、また来年かな(笑)

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