◆閑話◆ 極上のユーザー体験──「挿し絵イラストレーター」

 今回わたしが、「冬の女神と純潔の贄姫」の表紙絵・挿絵を依頼した、ながいも(XID:@NagaimoSasiEshi)さんは、ただのイラストレーターではない。

 「挿し絵イラストレーター」(ご本人の原文まま)を名乗っておられる。


 わたし自身、イラストについては本当に無知で、いわゆる「絵師」さんに、どんな情報をお渡しすれば、自分が思い描くイラストになるのか、全くもって分からないまま、XのDMにて、ながいもさんにお仕事依頼の相談をした。


 まずは、ヒアリングシートのフォーマットをいただき、自分の中で形になっている部分については、できるかぎり詳細を伝えてみたものの、不安はあった。

 たぶん、作家なら誰もが抱く不安。


「自分の作品は、読んでもらえるのか?」


 短編で20分あれば全文読める童話とはいえ、お忙しい絵師さんが時間を取ってくれるのか?

 おそるおそる「要約を用意したほうがよいでしょうか?」と聞いてみたところ、「Web公開しているのであれば、全文読みます!」との力強いお言葉をいただいた。


 これがどんなにうれしかったことか。

 どんな作品でも、世界観や行間に漂う空気感を、要約から完全に把握してもらうには、限界があると思う(わたしの腕のせいは、否めないが)。

 それをまるっと作品ごと読んでくださるとは!


 最初のラフ案の段階で、わたしはけっこう悩んでいた。そもそも作品のビジュアルイメージが強い方ではないため、具体的なイラストに落としていく過程で、なかなか言葉を尽くして説明できないことが多々あったからだ。

 そんな中、いただいた励ましの言葉は、今も忘れられない。


「イメージを固めていくのも、ラフ案の段階の役割なので、大丈夫ですよ。作品の雰囲気を細かく考えられるのは、楽しいです。もっとイラストを作品に近づけていきましょう!」


 ラフ案が上がってきてからも、わたしは困っていた。

 細かな調整の説明がうまくできない。


「表紙絵の冬の女神さまの服の裾が、ふんわり曲線だとうれしいです」

「髪の毛みたいにふわふわということでしょうか?」

「えーと、なんと表現したものか……」

「~~ ←波線でしょうか?」

「そんな感じです!」


 さすがイラストレーターさん!

 というか、御原、お前は作家だろう。言葉で的確に表現できなくてどうする……。


 また、作品の中で言及していていない部分についても、丁寧にヒアリングしていただいた。


「”夜の庭”の植物は、木ですか?雑草的な低めの草ですか?」

「花はなくて、葉っぱだけのイメージです。北欧由来の何か……」

「ハーブみたいのが多そうですね」

「よいかも!」


「薬草茶を沸かす鍋は?北欧風にかわいい白にしたりとかできますよ」

「狩り小屋で、猟師さんが使う感じなので、素朴な感じですかねぇ」

「周りはもう少し小屋っぽくもできますよ」

「そうできれば!」


 ながいもさんは、最初から最後まで「いかにわたしの作品の世界を、絵で表現するか」を真摯に考え、イラストに落とし込んでくれた。

 作家として、こんなにうれしいサービスがあるだろうか?

 この極上のユーザー体験、ぜひオススメしたい!


 ながいもさんとわたしの共同作業で、できあがった表紙絵と挿絵は、ぜひAmazonでKindle本「冬の女神と純潔の贄姫」をご購入して楽しんでほしい(笑)

 Web小説投稿サイトでは楽しめない限定イラストなので!

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