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健康的な食事をとるのが苦手である。
放っておくとすぐに食パンとフルーツグラノーラを交互に食べる生活になってしまう。
料理が苦手な訳ではない。カフェのキッチンや製菓工場で働いてきた経験もあって、むしろ料理は得意な方だと思う。実家に住んでいたころはよく料理やお菓子作りをしていた。
しかし、一人暮らしになってからめっきり自炊しなくなってしまった。ご飯すら月に一度炊くかどうか。さすがに食パンとフルーツグラノーラだけではいけないかと、たまにスーパーのお惣菜や冷凍食品なんかも食べてみたりしているが、健康的な食事とはほど遠い。
そもそも、買い物が苦手なのかもしれない。スーパーを一周しても、カゴに入ったものは牛乳と食パンとバナナだけなんてことがよくある。食べたいものを見つけるのが下手なのか、見えたものを食べたいと思うのが下手なのか……とにかく冷蔵庫はいつもすっからかんだ。
そんな状況を心配して、週に一度ほど母が食糧を届けてくれる。すぐに食べられるお弁当やスイーツ、冷凍食品やレトルト食品、鍋や味噌汁を作ってくれることもある。
食事を自分からとるのは苦手だけど、与えられたものは難なく食べることができる。これが怠惰なだけなのか、別の問題があるのか謎なのだが、これでは一人暮らしをしていても自立しているとは言いがたいだろう。どうにかまた自炊をできるようになりたいとは思っている。
ちゃんと野菜や肉を買って、ご飯を炊いて、自分のご飯を美味しいと思いたい。そう、わたしは自分のご飯が好きだったはずだ。唐揚げは自分好みの塩味にできるし、チャーハンは意外とパラパラに作れていたし、オムライスなんかは自分で作ったものがいちばん好きだと言える。たぶん自炊しないなんてもったいないと言われるくらいの腕前はあるはずなのだ。
恐らく自分のためだけに作るのが億劫なだけなのだ。家族に食べてもらえるから料理ができていただけで、自分ひとりならどんな食事でもいいやと投げやりになってしまう。準備する時間が短ければ短いほど良いという考えに陥っている。
自炊をして丁寧な一人暮らしをしたいのに、誰かがいないと自炊ができない。この矛盾をどうやって解決したらいいのだろう……。
30代独身女、家を買う 桃本もも @momomomo1001
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