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うさぎへの愛については別のエッセイで書いたことがあるが、自分自身のことについてはあまり書いてこなかった。子供のときから作文は苦手で、自分のことについて書くことが苦手だという思い込みもあるかもしれない。だから、自分のことをメインとしたエッセイを書くことにしり込みしていた節はある。
わたしは昔から自分のことがあまり好きではなかった。眉毛は濃いしし髪は癖毛だし声も好きじゃない。自分が作ったものや描いたものは、他の人のものに比べると見劣りしたし、成績が多少良いのは努力のおかげじゃなく記憶力がちょっと優れていただけだと片付けていた。
そんな自己肯定感低めのまま大人になってしまい、恋愛も上手くいかずセクシャルマイノリティに気づき、独りで生きていく覚悟を決めた。ありふれた人生じゃないのに地道に進んで行ってるところだけは少し自慢できるかなと思っている。
独りで生きる覚悟を決めたのは、今から10年前――20歳くらいのときだった。
高校生のときから好きだった異性と友達以上恋人未満のような関係だったころ、性的接触を求められて拒絶してしまったのがきっかけだった。3年以上も好きでいた人だったのに、触れられたときに心を閉ざしてしまった。それから彼との連絡を絶ってしまった。純粋に人を好きになれたのは恐らくそのときが最後だったと思う。
今度は受け入れられるだろうか。人を好きになる度にそんな不安が押し寄せてくる。人を好きになっていいのか、好きになってはいけないのではないか。そんな考えを持つようになった。
結婚はできない。結婚したら子供を期待される。1人産んだらきょうだいがいないとと言われる。目的がなくとも夫の相手をしなければいけない夜もあるだろう。
そんな生活は考えられなかった。わたしも相手もどちらも不幸になるだけだ。
わたしは独り身の覚悟として、それを形にしたものとして家を購入したとも言えるかもしれない。誰にも頼らずに生きていけるようにならなければ……そんな決意の表れかもしれない。
今、住んで2年目になるこの家。すでに愛着もわいているし健康なうちはずっと住み続けたいと思っている。DIYで壁紙を貼ってみたり、洗面台を取り替えてみたり、どんどん好きな家にしていけている。
この家がわたしの人生を支えてくれる。そんな予感がしている。
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