第2話

 「ごめん、待った?」

 そう声をかければ、彼女は緩慢な動きで振り返る。

 なびく黒い艶やかな髪。夏に映えそうなセーラー服。

 彼女は微笑んで言った。

「君は、今も私のこと好き?」

 高校生でなくなったような妖艶な笑み、猛禽類のような目。

「うん、一目惚れだったよ」

 目を見て応えた。少しだけ、声が裏返った。

 彼女は驚いたように目を見開いた。

「そうなんだ、、、いいのに」

 悲しそうな声だった。寂しい声だった。

「ごめんね、自殺なんかして。早く忘れなよ」

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2026年1月18日 00:00

或る幼なじみのはなし 日野出雲 @ancolomoci

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