第26話
一馬の駆る『魔導スカイ・スキマー』が、静止した水面を白く切り裂きながら進む。しかし、前方の巨大な水塊が不自然に波打ち、中から「鉄の触手」が飛び出してきた。
「おっと……ッ!」
一馬は急ハンドルでスキマーを傾け、間一髪でその一撃を回避した。水塊の中からゆっくりと浮上してきたのは、直径十メートルを超える、鋼鉄と石材の合成体――多脚水棲ゴーレム、通称『アイアン・クラーケン』だった。
【鑑定:アイアン・クラーケン(四階層広域守護機)】
説明:宙に浮く水塊を「道」として利用し、三次元的に移動する殺戮兵器。八本の触手は独立した魔導回路を持ち、打撃と同時に強力な高圧電流を放つ。
「水の中に逃げ場はないか……。なら、スピードで翻弄するまでだ!」
一馬はアクセルを全開にした。スキマーの排気口から青白い魔力が噴出し、静止した水面の上を弾丸のように加速する。
対するクラーケンは、周囲の浮遊水塊に触手を突き立て、それを支点にして空中を跳ねるように一馬を追いかけてきた。
ガシャアァン! と、一馬が先ほどまでいた場所を巨大な鉄の触手が粉砕する。
「……あいつ、水塊を移動手段にしてやがる。なら、こっちの土俵に引きずり出す!」
一馬は走行しながら無限ポーチを逆さにした。中から飛び出したのは、PROでまとめ買いしておいた「大量の吸水性ポリマー」と「工業用凝固剤」だ。
「これでも食らえ!」
一馬がスイッチを押すと、凝固剤が周囲の浮遊水塊に散布された。
ドロドロに固まり、流動性を失った水塊にクラーケンの触手が絡まり、その機動力が一気に削がれる。
「今だ……変形(トランスフォーム)!」
一馬はスキマーのシートから立ち上がり、背中の『極光(アトラス・バスター)』をキャノンモードで展開。スキマーの発電機から直接エネルギーラインを接続し、過剰なまでの電力をチャージする。
「……逃がさない。これが、ホームセンターの資材と古代技術の合わせ技だ!」
『最大出力放射:エクス・バスター・ストリーム』
極太の熱線が、凝固剤で動きを止めたクラーケンの中心核を貫いた。蒸発する水蒸気と共に、鋼鉄の巨体が爆散。四階層に轟音が鳴り響いた。
『広域守護機:アイアン・クラーケン討伐。レベルアップ……3.35へ』
「はぁ、はぁ……。流石にこいつは骨が折れたな」
一馬は熱を帯びたキャノンを槍に戻し、沈みゆくクラーケンの残骸から、ひときわ大きく青く輝く「深海魔導コア」を回収した。
【現在のステータスと装備】
■ パラメータ
* 名前: 佐藤 一馬(24)
* レベル: 3.35(↑ 0.10UP)
* 称号: 海を制する者
* 状態: 疲労(だが、高出力兵器の扱いに慣れてきた)
■ 装備品
* 武器: 魔導可変兵器・極光(アトラス・バスター)
* 移動体: 魔導スカイ・スキマー
* (激しい機動戦により、一部装甲に凹み。要メンテナンス)
* 道具: 深海魔導コア(四階層ドロップ)
* (「水」の属性を強く持った高純度の魔石)
* 防具: 金獅子の隠密外套(ゴールド・ステルス・コート)
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