第25話

一馬が三階層のエレベーターを降りると、そこにはこれまでの階層とは一線を画す、幻想的で異様な光景が広がっていました。

​「……なんだ、これ。水が、浮いてるのか?」


​一馬の目の前に広がる大空間には、巨大な「水の塊」がいくつも重力を無視して宙に浮かんでいました。それらはゆっくりと形を変えながら、まるで巨大なクラゲのように空中を漂っています。


​通路の大部分は水没していますが、その水は流れることなく「静止」しており、一歩踏み出せば深さ数メートルの水塊に呑み込まれる危険がありました。


​【鑑定:静止した海洋(四階層)】

説明:高度な空間魔導によって流動性を失った水の迷宮。水塊の中には、三階層のゴーレムが水適応劣化した「水棲機械」が潜んでいる。


​「普通に歩くのは無理だ。泳ぐにしても、この浮遊水塊に巻き込まれたら溺死する……」

​一馬は一度安全な岩棚まで引き返すと、無限ポーチから先ほどホームセンターPROで買い込んできた「お宝(資材)」を取り出しました。


​「……なら、こいつらを使って、この海を攻略するための『足』を作る!」


​【クラフト:水上移動メカ・一馬初号(プロトタイプ)】

​一馬は【作業台】を起動し、PROで買った大型発電機と、三階層で回収したゴーレムの「駆動関節」、さらに潤滑油の空き缶をフロート(浮き)として組み合わせました。

​【スクリュー設計】: スパイダーの糸を練り込んだ強化樹脂で、水を効率よく押し出すスクリューを錬成。

​【動力伝達回路】: 発電機の電気エネルギーを、魔導コアを介して「水流操作」の魔力に変換。単なるボートではなく、水面を滑るように進む「ホバーボート」の機構を目指します。

​【姿勢制御】: 銀絹の鱗翅(ミスト・バタフライの素材)をバランサーに使用し、空中水塊にぶつかっても姿勢を崩さないように調整。


​『クラフト完了:魔導スカイ・スキマー』

説明:工業用資材とゴーレムの部品を組み合わせた水空両用移動体。静止した水面上を高速で滑走し、短時間の跳躍も可能。


​「よし、これならいける」


​一馬は、無骨な鉄のフレームと輝く黄金の意匠が混ざり合った「自作メカ」に跨りました。


エンジンを始動させると、静寂に包まれていた四階層に、PRO製発電機の力強い駆動音が響き渡ります。


​「いくぞ……四階層突破だ!」


​一馬はアクセルを開けました。スキマーは静止した水面を爆風で切り裂き、宙に浮かぶ巨大な水の球体を回避しながら、未知の深部へと加速していきました。

​【現在のステータスと装備】

​■ パラメータ

​名前: 佐藤 一馬(24)

​レベル: 3.25(↑ 0.05UP)

​称号: 境界の開拓者

​状態: 集中(操縦に全神経を注いでいる)

​■ 装備品

​武器: 魔導可変兵器・極光(アトラス・バスター)

​移動体: 魔導スカイ・スキマー(新造)

​(水面を滑走し、障害物を飛び越える一馬の新しい足)

​道具: 銀翼の無限ポーチ(シルバー・ヴォルト)

​(中身:大型資材を放出し、空きスペースができた)

​防具: 金獅子の隠密外套(ゴールド・ステルス・コート)

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