第23話

一馬は居住区の奥深くで、ついにこの階層の門番とも言える絶望的な存在と対峙した。

​通路を完全に塞ぐように鎮座するのは、六本の巨大な脚を持つ「多脚戦車型ゴーレム」。その重装甲は厚い石材と未知の合金で塗り固められ、上部には魔力を集束させて放つ巨大な砲身が備わっている。


​「……まともにぶつかったら、一瞬で消し炭にされるな」


​一馬は物陰に潜み、無限ポーチから居住区で回収した「高度な魔導コア」を取り出した。レベル3の回路設計機能を使い、オーバーヒート気味だった黄金の槍を、このコアを核とした新兵器へと再構築する。


​『クラフト完了:魔導可変兵器・極光(アトラス・バスター)』


説明:魔導コアのエネルギーを状況に応じて変換する可変兵器。近接用の「槍」から、遠距離高出力の「重キャノン」へと一瞬で変形(パージ)する。

​だが、武器だけでは足りない。一馬は無限ポーチの中に溜め込んでいた「全物資」をぶちまける覚悟を決めた。

​「……全部使ってやる。俺の持てるもの、全てだ!」


​一馬はポーチから、これまでコツコツと溜めていた「マンイーターの蔦」、「スパイダーの超粘着糸」、「工業用オイル」、そして一階層で集めた「大量の魔石の欠片」を次々と取り出し、通路の至る所に配置した。

​蔦と糸を絡ませて巨大なネットを作り、その下にオイルを流し込む。さらに魔石を連鎖爆発の起爆剤として埋め込む――即席にして最大級の「複合トラップ」だ。


​「こっちだ、デカブツ!」 


​一馬が囮となって姿を現すと、多脚戦車は地響きを立てて突進してきた。

ガシャアァァン! と、計算通りゴーレムがオイルで足を滑らせ、超粘着ネットに絡まる。


​「今だッ!」


​一馬が起爆用魔石を撃ち抜くと、通路全体を震わせる連続爆発が起きた。爆炎と粘着液、そして焼き切れる蔦がゴーレムの動きを完全に封じる。

​「これで、最後だ……変形(トランスフォーム)!」

​一馬が手に持つ黄金の槍が、カシャカシャと音を立てて展開し、巨大な砲身へと姿を変えた。居住区の「魔導コア」が限界まで明滅し、青白い光が収束していく。


​「消え失せろ……!」


​『最大出力放射:エクス・バスター』


​極太の熱線が放たれ、多脚戦車の分厚い装甲を正面から溶解・貫通した。内部の魔力回路が連鎖爆破を起こし、巨大な鉄の塊がゆっくりと沈黙していく。


​『三階層守護機:ヘヴィ・多脚ゴーレム討伐完了。レベルアップ……3.20へ』


​一馬は、空になったポーチを握りしめ、膝をついた。


資材はほぼ空っぽ。だが、目の前には、ついに四階層へと続く巨大なエレベーターの扉が開かれていた。


​「……空っぽになったら、また集めればいい。俺にはもう、それができる技術(ちから)がある」


​一馬は新しい相棒となった可変兵器を背負い、かつての文明のさらに深い闇へと、不敵な笑みを浮かべて挑んでいった。


​【現在のステータスと装備】

​■ パラメータ

​名前: 佐藤 一馬(24)

​種族: 人間(男)

​レベル: 3.20(↑ 0.08UP)

​称号: 巨兵を屠る者

​状態: 達成感(物資は空だが、装備は最強)

​所持金: 412,000円

​■ 装備品

​武器: 魔導可変兵器・極光(アトラス・バスター)

​(槍モードとキャノンモードを切り替え可能。三階層のコアによる超高出力仕様)

​道具: 銀翼の無限ポーチ(シルバー・ヴォルト)

​(※トラップに全物資を使用したため、現在はほぼ空の状態)

​防具: 金獅子の隠密外套(ゴールド・ステルス・コート)

​頭部: 対魔毒・密閉型タクティカルマスク

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