第14話

アイアン・ウォンバットとの死闘を終えた一馬は、拠点の作業台の前に座り込んでいた。目の前には、鈍くも神々しい光を放つ「黄金の毛皮」と、掌の上で熱を帯びる「黄金の魔晶石」がある。

​「今までの俺は、ホームセンターの資材に魔物の素材を『付け足して』いただけだった……。でも、レベル2の錬成機能とこの素材があれば、ゼロから作り直せる」

​一馬は覚悟を決め、【作業台】の出力を最大に引き上げた。黄金の魔晶石を炉に投入し、それを高純度の魔力液体へと還元する。そこに黄金の毛皮を浸し、一本一本の繊維に魔力を定着させていく。

​「バールも……もう『工具』の域を超えさせる」

​一馬は、愛用してきたバールを核に、ウォンバットの鋭い爪と魔導合金を融合させた。もはやそれは、無骨な鉄の棒ではない。

​『クラフト完了:黄金の魔導戦槍(ゴールデン・パイルバール)』

説明:黄金の魔晶石を動力源とした真のマジックアイテム。高負荷の熱量を瞬時に放出し、鋼鉄をも一突きで蒸発させる。

​『クラフト完了:金獅子の隠密外套(ゴールド・ステルス・コート)』

説明:黄金の毛皮を再構成した防具。物理防御力はアイアン・ウォンバットに匹敵し、さらに光を屈折させて「気配」を希薄にする機能を持つ。

​「……すごい。これが、本物のマジックアイテムの力か」

​一馬が黄金のコートを羽織ると、驚くほど軽く、それでいて身体が鋼の檻に守られているような絶対的な安心感に包まれた。槍を振れば、空気が熱で爆ぜる音がする。

​「これなら……。一階層ではもう、俺を止めるものはいない」

​一馬は、自分の内側に「自信」という名の新しい力が宿るのを感じた。それは誰かに与えられたものではなく、自らの手で素材を剥ぎ、技術を磨き、勝ち取った証だった。

​「さて、ナビ。この装備で挑むべき場所を教えてくれ」

​『了解。一階層ボスエリアの最奥、黄金の壁に隠された「真の降下路」を検知。これより、未踏の二階層――「静寂の樹海」への道が開かれます』

​一馬は黄金の装備を輝かせ、誰にも見られることのない英雄としての第一歩を、さらに深くへと踏み出した。

​【現在のステータスと装備】

​■ パラメータ

​名前: 佐藤 一馬(24)

​種族: 人間(男)

​レベル: 2.20(↑ 0.05UP)

​称号: 黄金を統べる者

​状態: 高揚(マジックアイテムの力に適合中)

​■ 装備品

​武器: 黄金の魔導戦槍(ゴールデン・パイルバール)

​(黄金の魔晶石を内蔵。バネ式を廃し、魔力による瞬間噴射機構を搭載した究極の槍)

​防具: 金獅子の隠密外套(ゴールド・ステルス・コート)

​(物理防御力:極大。気配遮断機能を持つ一馬の切り札)

​防具: 魔晶コーティング・プロ仕様手袋(黄金強化型)

​(黄金の繊維を編み込み、槍の熱出力に耐えうる断熱性を確保)

​道具: 緊急用・解毒解呪ポーション

​(残り2本)

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