第7話 深淵の対話と、地下牢の決意

地下牢。カイトはジュアと同じ檻の中に放り込まれた 。

「……俺のせいで、あんたまで死ぬことになるんだぞ!」 ジュアが壁を殴り、悔しさに涙を流す 。

だが、カイトは穏やかに微笑んでいた 。 「死なないさ。……むしろ、ここに入ったおかげで、あいつらの『一番見られたくないもの』を確実に掴めたんだからな」

カイトは目を閉じ、【構造追跡(ロジック・トレーサー)】を継続する 。情報の糸は、今この瞬間も地上にある隠し帳簿の詳細を、カイトの意識へと転送し続けていた 。

その時、牢の入り口に人影が現れた 。エレナだ 。彼女は監視の兵に自分のなけなしの食事を渡し、潜り込んできたのだ 。

「カイト様……。ジュア……。ああ、神様。なぜ、こんなことに……」

「……エレナ。あんたは、この街の希望だ。あんたの命も、この街의 未来も、俺が全部守ってみせる」 カイトは格子の隙間から、エレナの頬を優しく撫でた 。

(女神様、やっぱりこの人だ。俺、この人を絶対に俺の隣に連れていく)

「エレナ、明日の朝、広場に来てくれ。……そこで、最高にスカッとする『奇跡』を見せてやるから」 カイトは軽く指を鳴らした 。

パキィィィィン……!

魔力耐性が施されていたはずの特注の鉄格子が、分子レベルから崩壊し、粉々に砕け散った 。

「え……?」 「明日の朝まで、少しだけ待っててくれ。……最高のショーを見せてやるよ」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る