第6話 構造の追跡
その夜。ジュアは単身でデブドの執務室へ忍び込み、「裏帳簿」を盗み出す作戦を決行した 。
案の定、ジュアは執務室に仕掛けられた魔力警報の罠に嵌まった 。「……ネズミがかかったな。おい、この小僧を捕らえろ! 反逆罪で明日の朝には処刑だ!」 デブドの冷酷な声が響く 。
駆けつけたカイトが見たのは、大勢の衛兵に囲まれ、絶望に顔を歪めるジュアの姿だった 。
(……ここで暴れてもいいが、帳簿を隠滅されたら元も子もない。……なら、わざと捕まって、内部から全ての『ログ』を抜く)
カイトはあえて、無防備な姿で衛兵たちの前に姿を現した 。「待て。その若者は俺に命じられてやっただけだ。……本物の『賊』は、俺だよ」
「カイトさん、何を言ってるんだ!」 ジュアが叫ぶが、カイトはわざとらしく、空の書類ケースを掲げてみせた 。
「ほう。貴様が主犯か。……いいだろう。まとめて地下牢へ放り込め!」
カイトは抵抗せず、自ら手を差し出した 。冷たい鉄の手錠がかけられる瞬間、カイトは人知れず、特殊スキルを有効化した 。
【深層情報干渉:構造追跡(ロジック・トレーサー)】
物質に残された「残留情報」を読み取り、隠された真実を視覚化するチートスキルだ 。カイトの視界に、執務室の壁の裏、さらには床下の隠し金庫へと続く「情報の糸」が青白く浮かび上がる 。
(……見つけた。デブド。あんたが必死に隠している、汚職の全て……。檻の中から、全て俺の脳内にログを残させてもらうぜ)
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