第四章

数週間後、差出人不明の段ボールが届いた。

開けると、中には彼女の小指と中指が入っていた。

冷たく乾いた指、微かに漂う血の匂い——五感が震える。

添えられた手紙には、短くこう書かれていた。

「君は、どこまで彼女を知っていた?」

三上はそれをじっと見つめ、微かに笑った。

安堵でも喜びでも怒りでもない、奇妙な感覚が胸を支配する。

誰かに触れられた——その事実だけで、胸がひりつく。

部屋の窓から見える街灯の光に、影が伸びる。

彼の目には、誰かが待っているように見えた。

だが、外には誰もいない。

心の奥で、何かが微かに動いた。

冷たく、静かに。

確かに、動いた。

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