第22章「魔王城への進撃」


カイトの演説から一週間後、反魔導フィールド発生器の大型版が完成した。


範囲は、半径一キロメートル。これなら、広域の防衛が可能だ。


そして、カイトはもう一つのプロジェクトを完成させた。


「魔導装甲列車、リベレーター号」


全長百メートルの巨大な列車。装甲で覆われ、内部には兵士、医療班、補給物資が搭載されている。そして、先頭車両には、反魔導フィールド発生器が設置されている。


「これで、魔王城まで進軍できる」


カイトは、列車を見上げた。


レオンハルトが、隣に立った。


「見事だ、カイト。この列車があれば、魔王軍の攻撃も防げる」


「はい。でも、僕の目的は戦うことじゃありません」


「わかっている。対話だな」


レオンハルトは、カイトの肩を叩いた。


「だが、対話が失敗したら、我々が戦う。それが騎士の役目だ」


「ありがとうございます」


翌日、リベレーター号は王都を出発した。


乗っているのは、精鋭騎士団五百名、医療班五十名、そして技術者たち。


カイト、エリシア、ガンダル、リリア、レオンハルト。そして、帝国から派遣されたマティアスも同乗している。


列車は、魔導鉄道の線路を北へ疾走した。


二日後、列車は魔王城の手前まで到達した。


だが、そこで待ち受けていたのは、魔王軍の総攻撃だった。


「前方に、魔獣の大群!」


見張りが叫んだ。


地平線が黒く染まっている。数千、いや数万の魔獣が、列車に向かって突進してくる。


「反魔導フィールド、展開!」


カイトが命令した。


列車の先頭から、目に見えないフィールドが広がる。魔獣たちが、フィールドに入った瞬間、動きが鈍くなった。


「効いている!」


だが、魔獣の数があまりにも多い。フィールドを抜けて、列車に迫ってくる。


「騎士団、出撃!」


レオンハルトが命令した。


列車の側面が開き、騎士たちが飛び出した。魔導車に乗り、魔獣と戦う。


激しい戦闘が始まった。


カイトは、指揮車両から戦場を見た。


騎士たちが、勇敢に戦っている。だが、魔獣の数が多すぎる。


「このままでは……」


その時、空から黒い影が降ってきた。


ダークネスだ。


「よくここまで来たな、人間ども」


ダークネスは、巨大な鎌を振るった。


黒い斬撃が、列車に向かって飛んでくる。


「防御壁!」


エリシアが、光の壁を展開した。だが、斬撃の威力が強すぎる。壁が砕け、列車の装甲が裂かれた。


「くっ……!」


ガンダルが、ハンマーを投げた。ダークネスに命中するが、ダークネスは平然としている。


「無駄だ。貴様らでは、私は倒せん」


ダークネスが、再び鎌を振り上げた。


その時、列車の後方から、別の列車が到着した。


帝国の魔導列車だ。


そして、その先頭に立っているのは、シュタイナーだった。


「カイト君、援軍だ!」


シュタイナーが叫んだ。


帝国の騎士団が、列車から飛び出した。そして、魔獣の群れに突撃する。


「シュタイナー長官!」


「約束通り、協力に来た。さあ、一緒に魔王を倒そう!」


シュタイナーの言葉に、カイトは頷いた。


両国の騎士団が、連携して戦う。


そして、ダークネスに向かって、集中攻撃を仕掛けた。


ダークネスは、強力だった。だが、数百人の騎士の連携攻撃には、さすがに押され始めた。


「くっ……数で押すか……」


ダークネスが、後退する。


「ダークネス! 逃げるのか!」


レオンハルトが叫んだ。


「逃げるのではない。戦略的撤退だ。貴様らを、魔王様のもとへ案内してやる」


ダークネスは、そう言い残して、魔王城へ飛び去った。


魔獣の群れも、後退していく。


戦いは、終わった。


だが、カイトは知っていた。


これは、序章に過ぎない。


本当の戦いは、これからだ。

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