第8話 Bランク強敵との遭遇とスキル進化


森の深部に足を踏み入れた瞬間、空気が変わった。

Bランクの初本格クエスト以来、緊張感は最高潮に達する。

ダリルは背中の荷物を揺らし、目を細めた。

「……ここからが本当の戦いだ」


足元の落ち葉が微かに音を立て、霧がゆらりと揺れる。

視界の先に、大型モンスターの影が確認できた。

巨体に角と爪、漆黒の鱗で覆われた獣。

「……あれがBランクの強敵か」


少年は荷物から小石、鉄球、魔力結晶を取り出す。

投擲スキルの精度は依然として完璧で、

必中、威力倍加、クリティカル発動――規格外の力を発揮できる。

しかし、今の相手はそれだけでは不十分だと直感する。


大型モンスターは低い唸り声をあげ、

前脚で地面を叩きつけ、衝撃波を発生させた。

「くっ……攻撃範囲が広すぎる!」

少年は瞬時に身をかわし、アイテムボックスから時間停止を発動。


森の空間が凍り、敵の動きが止まる。

この間に、ダリルは攻撃用の配置を整える。

小石、鉄球、魔力結晶を並べ、最適な角度で投擲できるよう準備した。

時間が再び流れると、攻撃が一斉に炸裂した。


巨体のモンスターは体を震わせ、泡立ち始める。

しかし完全には倒れない。

「……ここからが本番か」

ダリルは心を落ち着け、次の段階へ進む決意を固める。


アイテムボックスから新たに取り出したのは、光る魔力結晶。

手に触れた瞬間、体に微かな熱と振動が伝わる。

「……これを使えば、さらに強力にできるはず」

少年は集中し、結晶を投擲する。


光が炸裂し、モンスターの弱点を正確に貫いた。

敵は泡立ち、体を縮める。

だが、今度は反撃を仕掛けてきた。爪が地面を削り、風圧が飛んでくる。

「くっ……まだ余裕はない!」

少年は荷物を背負い直し、身をかわす。


投擲スキルはここでさらに異常進化を遂げた。

必中に加え、投擲物が魔力を帯び、範囲攻撃や連鎖攻撃が可能になった。

鉄球と結晶を組み合わせ、敵の体を正確に分割して攻撃する。

衝撃と光が連続で炸裂し、ついにモンスターは倒れた。


森に静寂が戻り、ダリルは深呼吸した。

「……俺の力、どこまで行くんだ?」

胸の高鳴りと達成感が全身に広がる。

Bランクの強敵を倒し、スキルはさらに特殊化。

投擲、アイテムボックス、魔力結晶すべてが戦闘で異常な威力を発揮した。


森の出口付近、ルカが現れた。

「お前、またやったのか」

ルカの目には驚きと尊敬が混ざっている。

「今回は俺の力だけじゃなく、スキルも成長したんだ」

ダリルは胸を張り、笑みを浮かべた。


ギルドに戻ると、報酬と評価が手渡される。

「Bランク冒険者として、ここまでの成果は異例です」

試験官の言葉に、少年は小さくうなずく。

「でも、まだまだこれからです」

決意は揺るがず、次の目標はAランク昇格だ。


夜、宿屋で一人、ダリルは日記を書いた。

「Bランク強敵、討伐完了」

「スキルが進化……投擲、アイテムボックス、魔力結晶、

すべてがさらに強力になった」

胸の中で未来の計画を描き、少年は眠りにつく。


「次はAランク……絶対に進む」

未知の力、特殊スキル、そしてライバルとの戦い。

ダリルの冒険は、Bランクとしてさらなる高みを目指す。

Fランクだった荷物持ちの少年は、

今やBランクの実力者として伝説の序章を歩み始めた。


翌朝、ギルドの掲示板には、さらに強力な依頼が掲示される。

ダリルは荷物を背負い、胸を高鳴らせながら掲示板を見つめた。

「……行くしかない」

少年の冒険は、Bランクとしての新たな挑戦を迎え、

未知の力と特殊スキルが、彼をさらに成長させるのだ。

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