第6話 Bランク昇格試験とスキルの異常進化


Cランクとなったダリルは、今日もギルドの前に立っていた。

掲示板には、Bランク昇格試験の募集が貼られている。

「……やっと来たか」

少年は背中の荷物を揺らし、決意を固めた。


今回の試験は、広大な森に潜む高ランクモンスターの討伐。

単なる討伐ではなく、戦略眼や戦術の応用も評価される内容だ。

Fランク、Cランクの頃とは比べ物にならない難易度だ。

しかし、ダリルは自信があった。


「投擲とアイテムボックス……俺ならやれる」

胸を張り、少年は森の入り口へと足を踏み入れる。

木々の間から光が差し込み、霧がかすかに揺れる。

緊張感が漂い、鳥の鳴き声も緊迫した響きに変わる。


森の奥で最初に現れたのは中型モンスターの群れ。

数は多くないが、油断すると重傷を負う可能性がある。

ダリルは荷物から小石を取り出し、投擲スキルを発動。

必中、威力倍加、クリティカル発生――規格外の力で次々に倒す。


しかし、森のさらに奥には、より巨大なスライムが待っていた。

その体は背丈を超え、地面を揺らしながら迫る。

「……これが本当の試練か」

少年は荷物を背中で揺らし、時間停止の準備を整えた。


アイテムボックスを開き、時間停止の魔力を放つ。

森の空間が一瞬凍り、敵の動きが止まる。

その隙にダリルは小石、鉄球、魔力結晶を正確に配置。

数秒後、時間が再び流れると、巨大スライムは無力化されていた。


「……すごい、これが俺の力か」

胸の奥で喜びと高揚感が湧き上がる。

しかし、試験はここで終わらない。

試験官が操作する大型モンスターが森に出現する。


そのモンスターは普通の攻撃では倒せない。

だが、ダリルには既に戦術と経験がある。

小型石での牽制、魔力結晶による特殊投擲、

そして時間停止での精密攻撃。すべてを組み合わせる。


戦闘が始まると、モンスターの攻撃は激しく、地面を揺らす。

少年は瞬時に位置を変え、投擲の軌道を計算する。

必中、威力倍加、クリティカル発生――規格外の能力が発揮される。

大型モンスターも次第に体力を削られ、ついに倒れた。


戦いが終わると、試験官たちは驚きを隠せない。

「Fランク時代からの成長……これは異常だ」

「Cランクの戦術眼……さらに異常な投擲スキル」

評価は最高点に近く、Bランク昇格はほぼ確実だった。


だが、この戦いでダリルのスキルはさらに進化を遂げた。

投擲に魔力結晶を融合させた技が、より強力になり、

必中に加え、範囲攻撃や属性攻撃まで可能となった。

アイテムボックスも無限収納と時間停止に加え、

敵の動きを封じる応用も可能となる。


「……俺の力、どこまで行くんだ?」

胸の中で少年は笑みを浮かべる。

Bランクに昇格すれば、さらに強力な依頼に挑戦できる。

そして新たな仲間やライバルとも出会い、経験を積むことができる。


ギルドに戻ると、受付の女性が結果を告げた。

「ダリル君、Bランク昇格決定です。おめでとう」

「ありがとうございます……でも、まだまだこれからです」

少年の目には、決意の炎が宿っていた。


夜、宿屋で一人、ダリルは日記を書いた。

「Bランクになった……でも、力はまだ足りない」

「新しいスキルは、投擲の可能性をさらに広げてくれる」

胸の中で次の目標を描き、少年は眠りにつく。


「次はAランク……そして、いつかレッドスケルトンを超える」

未知の力、特殊スキル、そして伝説への道。

ダリルの冒険は、ここからさらに加速する。

Fランクの荷物持ちだった少年は、

今やBランクの実力者として、世界に名を残す存在となりつつあった。


翌朝、ギルドの掲示板にはさらに強力な依頼が貼られている。

ダリルは荷物を背負い、胸を高鳴らせながら掲示板を見つめた。

「……行くしかない」

少年の冒険は、Bランクとして新たな局面を迎えた。

未知の力と特殊スキル、そしてライバルとの戦いが、

彼をさらに成長させ、伝説への道を切り拓くのだ。

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