第5話 Cランクの試練と新たな出会い
Cランク昇格を果たした翌朝、ダリルは
再びギルドの掲示板を見つめていた。
Fランクの頃よりも依頼の数は増え、難易度も上がっている。
だが、少年の目には希望と興奮が光っていた。
「よし……次はCランクとしての初依頼だ」
荷物を背負い、ダリルは決意を固める。
今回の依頼は、森の奥深くに出現した中型モンスターの討伐。
報酬も高額で、経験値も大幅に増える内容だ。
森に入ると、木々の間を吹き抜ける風がひんやりと感じられる。
小鳥のさえずりも、昨日より緊張感を帯びて聞こえた。
視界の先に、中型モンスターが姿を現す。
「まずは、ウォーミングアップだな」
ダリルは荷物から小石を取り出す。
投擲すると、必中でモンスターを貫いた。
威力は十分で、クリティカルも発生。
中型モンスターは泡立ち、地面に崩れ落ちた。
だが森の奥には、さらに大きな影があった。
巨大スライム――前回よりも二回り大きく、地面を揺らす。
「……強そうだ」
少年は深呼吸し、アイテムボックスから魔力結晶を取り出す。
「これで、いくぞ」
結晶を握ると、微かな熱と光が手のひらから伝わった。
ダリルは慎重に投擲角度を調整し、結晶を放つ。
光が炸裂し、巨大スライムに命中。
敵は泡立ち、体を縮める。だが完全には倒れない。
「普通の攻撃じゃ足りない……やっぱり工夫が必要だ」
少年は小石と鉄球を組み合わせ、連続投擲を行う。
必中、威力倍加、クリティカル発生――規格外の戦力で、
ついに巨大スライムは地面に崩れ落ちた。
森を進むと、突然、別の冒険者が現れた。
同じCランクだと思われる少年で、剣を携えている。
「お前も依頼か……?」
その冒険者は険しい目を光らせ、ダリルを警戒する。
「はい。投擲で戦います」
ダリルは素直に答え、荷物を背負い直す。
冒険者は小さく笑い、「面白そうだ、競争だな」とつぶやいた。
彼の名前はルカ。剣術に秀でたCランクの新星だった。
依頼の進行中、ルカとダリルは自然と協力することになる。
中型モンスターが群れを成して現れた際、ルカは剣で敵を抑え、
ダリルは投擲と魔力結晶で攻撃。連携が完璧に機能する。
「なるほど……こいつ、強いな」
ルカは感心しつつ、戦いの中で互いに距離を縮めた。
戦闘が終わると、森には静寂が戻った。
ダリルとルカは並んで息を整え、成果を確認する。
「君……普通の荷物持ちじゃないね」
ルカは笑い、手を差し伸べた。
「ありがとう。君のおかげで助かったよ」
少年はうなずき、握手を交わす。
ギルドに戻ると、試験官からCランクとしての正式な認定が告げられた。
「ダリル君、君の戦術と能力は見事だ」
「ありがとうございます……でも、これからももっと強くなります」
少年の決意は、言葉だけでなく目に宿っていた。
その夜、宿屋で一人、ダリルは日記を書いた。
「Cランクになった……でも、まだまだだ」
「ルカとの出会い……彼との戦いで新しい戦術を学べた」
胸の中で決意が再び燃え上がる。
「次はBランク……必ず、ステップアップする」
未知の力、特殊スキル、そして新たな仲間との協力。
ダリルの冒険は、ここからさらに広がる。
Fランクだった荷物持ちの少年は、
確実に、世界に名を残す冒険者へと変わり始めていた。
ギルドの掲示板には、さらなる依頼が次々と貼られる。
ダリルは荷物を背負い、胸を高鳴らせながら掲示板を見つめた。
「……行くしかない」
少年の冒険は、Cランクとして本格的に始動した。
未知のスキルと力、そしてライバルとの競争。
それらすべてが、彼をさらに成長させるのだ。
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