第4話 Fランクを超えて
朝の光が宿屋の窓から差し込む。
ダリルは目を覚まし、背中の荷物を揺らした。
今日はCランク昇格試験の前段階として、
ギルドから中型モンスター討伐の依頼を受けていた。
「……また森か」
少年はつぶやき、宿屋を出る。
昨日の戦いで自信をつけたが、
油断はできない相手が待っていることは分かっていた。
森の入り口に着くと、薄霧が立ち込め、
視界が遮られていた。
小型スライムが出迎えのように現れる。
「まずはウォーミングアップ……」
ダリルは荷物から小石を取り出す。
投げると、小型スライムは一撃で崩れ、
その後も連鎖的に倒れていった。
アイテムボックスの力で石は無限に補充される。
「……やっぱり、これなら安心だ」
しかし森の奥に進むと、状況は一変した。
木々の間から中型スライムが姿を現す。
厚い体で通常攻撃は効かない。
ダリルは小さく息を吸い、アイテムボックスを開いた。
中から取り出したのは、昨日見つけた光る結晶だ。
「これを投げれば……」
少年は集中し、結晶を空高く放る。
光が炸裂し、中型スライムの体を深く貫いた。
敵は泡立ち、倒れる。
だが森の奥には、さらに大きな影があった。
巨大スライム――前回よりも一回り大きい。
地面を揺らしながら、襲いかかってくる。
「よし……やってやる」
ダリルは石と結晶を組み合わせた投擲を繰り出す。
必中、威力倍加、クリティカル発動――
規格外の投擲が、巨大スライムを撃破した。
戦いを終えたダリルは、森を後にする。
ギルドに戻れば、この成果でCランク昇格の資格が得られるはずだ。
「やっと……少しは前に進める」
胸の高鳴りを感じながら、少年は歩き続ける。
ギルドに戻ると、受付の女性が目を丸くしていた。
「ダリル君、また成果を上げたのですね!?」
「はい……でも、これからが本番です」
少年の目は輝き、決意が伝わる。
その日の夕方、Cランク昇格試験の通知が届く。
試験はギルドの指定する広大な森で行われる。
複数のFランク冒険者が参加し、試験官が評価を下す。
「……これなら、俺にもチャンスがある」
試験当日、広大な森に冒険者たちが集まった。
ダリルは自分の荷物を背負い、目を見開く。
周囲の冒険者は剣や杖、盾を構えて緊張している。
少年は特殊スキルだけで挑むことになる。
最初の課題はモンスター討伐。
小型から中型までのモンスターを倒し、
戦闘力と戦術眼を評価される。
ダリルは投擲とアイテムボックスを駆使し、敵を次々と倒した。
「やはり……この力は普通じゃない」
少年は戦いながら思った。
必中投擲、威力倍加、クリティカル発生、
さらに魔力結晶の特殊投擲。
どれもFランク冒険者の想像を超えていた。
試験官の一人が目を見張る。
「この荷物持ちは……異常だな」
しかし、ダリルは戦力として十分に評価される。
彼の能力は、戦闘の常識を覆していたのだ。
最後の課題は、試験官自らが操作する大型モンスターとの戦闘。
ダリルは心を落ち着け、戦略を練る。
荷物から小石、鉄球、魔力結晶を取り出し、
投擲の軌道を計算する。
戦闘開始と同時に、巨大モンスターが襲いかかる。
少年は躊躇せず、石を投げる。
しかし通常では通じない体を持つ敵だ。
ここで、アイテムボックスの時間停止機能を試すことにした。
「……時間、止める!」
時間が数秒止まり、ダリルは敵の弱点に鉄球と結晶を集中投擲。
光と衝撃が炸裂し、巨大モンスターはついに崩れ落ちた。
試験官たちは息を飲む。
「これは……Fランクの能力じゃない」
しかし評価は明確だった。
Cランク昇格が、正式に認められたのだ。
ダリルは荷物を背負い、深く息をつく。
「……やっと、ここまで来た」
胸の中で喜びが広がり、次の目標がはっきりする。
「Aランク、そして……いつかレッドスケルトンを超える」
少年は笑みを浮かべ、森の出口へ向かう。
Fランクの荷物持ちだった彼は、
特殊スキルと努力で確実に階段を登り始めていた。
未知の力、特殊スキル、そして伝説への道。
ダリルの冒険は、これからさらに加速していく。
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