【第4話】距離が縮まる音。
京介との最初のやり取りは、驚くほど普通だった。
どこにでもある、
自己紹介をして、挨拶を交わして、
少しずつ言葉を重ねていく――。
そんな、特別じゃない始まり。
京介は、大地と同じ大学、同じ野球部の選手だった。
隣の県で寮生活を送りながら、
毎日野球漬けの生活をしているという。
今日もまた一通、
また一通とメッセージが重なっていく。
——————————————————
木村 京介
件名:なし
野球終わった⚾️
お互いリーグ戦時期、頑張ろうね✨
高校は○○高校やったよ♫
帆波ちゃんは?(^3^)
——————————————————
From 帆波
件名:なし
お疲れ様✨私も終わった⚾️
今からバイト行ってくる✊🏻
△△高校やったよー✨
○○高校、練習試合やったことあるね⚾️
——————————————————
木村 京介
件名:なし
やっと寮帰ってきた☺️
バイトファイト✊🏻♫✨
そうそう♪ 練習試合したことあるばい♫
覚えとったんや✨
俺ら、その時会っとったかもね♫(^O^)
その時、3番打っとったよ⚾️
——————————————————
画面を見つめながら、
小さな繋がりに思わず頬が緩む。
同じグラウンドにいた。
もしかしたら、
あの日、私の視界のどこかに彼はいたのかもしれない。
——————————————————
From 帆波
件名:なし
今終わった〜😊✨帰宅🏠
会ってたかもね🤭♫
○○大とも毎年練習試合組ませてもらっとるけん、
そのタイミングでまた会うかもやんね⚾️✨
——————————————————
木村 京介
件名:なし
お疲れ様😚✊🏻
なんか今から楽しみやわ(^O^)✨
大地とメンバー死守してがんばろ✊🏻
帆波ちゃんはベンチ?
ってか、帆波ちゃん呼びでよかった?d(^_^o)
——————————————————
From 帆波
件名:なし
うん、頑張ってほしい☺️⚾️わら
そっちに遠征になったらベンチで、
京介くんたちが遠征なら、女マネが一人
でアナウンスする人おらんけん、
アナウンス🎤✨
ちゃんはつけてもつけんくても
どっちでも大丈夫よ✨
——————————————————
木村 京介
件名:なし
アナウンスすげー!✊🏻
名前アナウンスしてもらえるの、
なんかいいな✨
「1番 セカンド 木村京介」って
呼んでな⚾️(^。^)
じゃあ、帆波にするわ✊🏻
俺も京介って呼んでな✨
お互い呼び捨てのほうが
仲良しな感じやろ😍?(笑)
——————————————————
「帆波」
液晶画面に並んだ、私の名前。
少しずつ、でも確実に。
昨日よりも、
一秒前よりも、
彼との距離が縮まっていく。
――距離が縮まる音は、
こんなにも静かで、こんなにも確かだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます