第2話 神に逆らって、救う
エルシアが手を当てた瞬間、
少年の体が拒絶するように痙攣した。
「……そう。世界は、あなたを見捨てたのね」
彼女の指先から滲み出たのは、光ではない。
闇ですらない。
――悪。
「大丈夫。
私は、世界の判断を信用しない」
悪属性が、少年の体内に染み込む。
それは癒しではなかった。
否定だった。
呪いを「存在してはいけないもの」と断じ、
病を「正しくない」と切り捨てる。
「ぎゃああああ!!」
世界が悲鳴を上げる。
数秒後、少年は静かに息をした。
「……生きてる」
その時、神官の声が響いた。
「悪属性による治療行為を確認した。
それは――神意への反逆だ」
エルシアは、はっきりと言った。
「違うわ」
少年を抱く母親を見る。
「神が選んだ死を、
私は“悪い”って言っただけ」
神官の顔が歪む。
「異端者め……!」
「そう」
エルシアは一歩前に出る。
「だから私は、
あなたたちの正義では――救わない」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます