第5話 頂点への挑戦


アストラ洞窟での戦いから数日後、

ライザたちはギルドの特別訓練場にいた。


「いよいよ、頂点ランカーとの戦いか」

ファルマが剣を軽く振り、緊張を隠せない。


「ええ、でも焦らずに……」

ライザは深呼吸し、手のひらの光を確かめる。

「鑑定――最大出力」

心の中で呟き、全力を集中させた。


ギルド長が説明する。

「頂点ランカーとの戦闘は、公式ランキング戦で行う。

一度でも負ければ、ランキング上位の地位は揺らぐ」

仲間たちの目に決意が宿る。


会場には、多くの観客と上位ランカーたちが集まっていた。

ライザは静かに歩き、仲間の肩に軽く触れる。

「皆、無理はせず、連携を最優先に」


最初の相手は、氷魔法を操るランカー、セリオ。

レベルは四十五、攻撃力は圧倒的だ。

「さて……力を見せてもらおうか」

セリオが氷の剣を振るう。


ライザは冷静に状況を分析した。

「鑑定――ステータスを入れ替え、攻撃力を分散」

瞬間、光が手のひらから放たれ、戦況が逆転する。

パーティーの攻撃は的確に命中し、セリオの動きが鈍る。


ファルマの剣が氷を砕き、ボールドが盾で防ぐ。

メルマの魔法は氷属性の弱点を突き、

モーガンの回復が仲間の負担を最小限に抑える。


「こんな……効かない!」

セリオが叫び、観客は息を飲む。

「まだ序盤です」

ライザは静かに微笑む。


次に現れたのは、火炎竜のランカー、グラシア。

炎を自在に操り、近づく者すべてを焼き尽くす。

「全員、ステータスを分散。耐久力を高めて!」

ライザの指示で、パーティーは防御態勢を整える。


光が手のひらから広がり、敵の力を仲間たちに反映する。

炎攻撃は抑えられ、反撃のチャンスが生まれる。

「今だ!」

ファルマが突撃し、グラシアの防御を崩す。

メルマとモーガンの連携魔法が決まり、竜は力尽きた。


戦闘が進むにつれ、ライザの名は観客席に広まった。

「鑑定士が……ランキング上位を倒す!」

囁きが響き、上位ランカーたちの顔に焦りが浮かぶ。


最後の対戦相手は、伝説級ランカー、シャルヴァン。

剣と魔法、戦略すべてを極めた男だ。

「ライザ……君の力、見せてもらう」

鋭い視線が彼女を貫く。


「皆、位置を固定。能力を分散、ステータスを最大化」

光が集まり、仲間とライザの力が融合する。

戦場は瞬時に変化し、シャルヴァンの攻撃が届かなくなる。


鋭い剣撃が飛ぶが、ライザの鑑定が瞬時に能力を操作する。

防御力と攻撃力を入れ替え、仲間の体力を最適化する。

一撃ごとに戦況は有利に傾き、観客は息を飲む。


「これは……信じられない」

シャルヴァンが呟く。

「まだ……これが本当の力ではない」

ライザは静かに微笑み、最終奥義の構えを取る。


「鑑定――全力、統合操作!」

光が会場全体を包み、ステータス、スキル、レベルが入れ替わる。

シャルヴァンの全能力が一瞬で弱体化し、パーティーは最大の力を発揮する。


連携攻撃が炸裂し、シャルヴァンは剣を地に落とした。

会場は静まり返り、次の瞬間、歓声が巻き起こる。

「ライザ……頂点に……」

ファルマが息を弾ませ、ボールドが笑う。


ギルド長が穏やかに頷く。

「正式に、ランキング一位。ライザ、君が頂点だ」

ライザは静かに目を閉じ、深く息を吐く。


「ここまで……来られるとは」

心に込み上げる達成感と、仲間への感謝。

ランキング二十万位からの逆転劇――

すべては、仲間と信じた力の証だった。


夜空の星を見上げ、ライザは決意を新たにする。

「頂点に立ったけれど、冒険は終わらない」

世界にはまだ未知のダンジョンがあり、

新たな試練と出会いが待っている。


仲間たちと笑い合い、肩を並べて歩く。

「次は……もっと高みへ」

ランキングの頂点に立った少女は、

さらなる冒険の扉を、静かに開いたのだった。

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