第4話 中級ダンジョンと策略


アストラ洞窟の入口で、ライザは深呼吸した。

光が届かず、湿った空気が肌を包む。


「準備はいいか?」

ファルマが剣を握り、仲間たちを見渡す。

「はい」

ライザは小さく頷き、集中を高めた。


最初の部屋は、広い石造りの空間だった。

床には複雑な模様が刻まれ、罠の匂いが漂う。

「これは……ただのダンジョンではない」

メルマが目を細め、魔法で模様を分析する。


突然、石柱が動き出す。

仕掛けられた機械兵が出現したのだ。

「動きが速い……」

ボールドが盾を構える。


ライザは手をかざす。

「鑑定――攻撃力と防御力を入れ替える」

光が広がり、機械兵の力をパーティーの力に変換する。

仲間たちは驚きつつも冷静に攻撃を開始する。


「これで攻撃力が上がった!」

ファルマが剣を振り、力強く一撃を叩き込む。

メルマの魔法も的確に炸裂し、機械兵は倒れた。


次の部屋では、複数のゴーレムが待ち受けていた。

単純に力で押すだけでは危険だ。

ライザは周囲を見渡し、戦略を考える。

「皆、ステータスを分散させよう」

ボールドは防御に徹し、ファルマとメルマは攻撃に回る。


ステータスを操作し、攻撃力と耐久を入れ替えた瞬間、

ゴーレムの動きが鈍り、パーティーは圧倒的に有利になった。

「すごい……完全に掌握してる」

モーガンが息を吐き、回復魔法で支援する。


奥へ進むと、迷路のような通路が続く。

石壁は曲がりくねり、魔法の罠が点在していた。

「罠が多すぎる……」

メルマが眉を寄せる。

「ライザ、どうする?」

彼女は微笑み、手をかざす。


「鑑定――ステータスの入れ替えで移動速度を上げます」

仲間たちは瞬時にスピードが上がり、罠を避けながら進む。

洞窟の構造すら、戦略の一部となった。


最深部に到達すると、そこには影の竜の子――小型だが鋭い牙を持つ魔獣が待っていた。

「強敵だが、慌てない」

ライザは手のひらの光を集中させ、能力を最大限に発揮する。


「鑑定――最大出力」

光が広がり、魔獣のステータスとパーティーの能力を入れ替える。

一瞬の静寂の後、攻撃が連携して炸裂した。

ファルマの剣が切り裂き、ボールドが盾で防ぎ、

メルマの魔法が竜の弱点を突く。

モーガンの回復も完璧に間に合う。


魔獣は力を失い、地面に倒れた。

「これで……勝利です」

ライザは静かに息を整え、仲間たちを見た。


しかし、洞窟の出口付近で、影が動く。

上位ランカーが策略を巡らせ、パーティーを待ち伏せしていたのだ。

「ふん……こんなところで力を誇示するのか」

ライザは冷静に答える。

「ここが、私たちの試練の場です」


敵の攻撃は巧妙だった。

物理攻撃だけでなく、魔法による幻惑やステータス変化も仕掛けられる。

だが、ライザは一歩も慌てない。

「皆、位置を変えて。ステータスを分散!」

光が手のひらから広がり、仲間の能力と敵の能力を瞬時に入れ替える。


敵は戸惑い、攻撃が空振りする。

「これが……鑑定の力」

メルマが小さく息を吐く。

「戦うだけじゃなく、頭脳戦でも圧倒できる……」


連携の中で、仲間たちは信頼を深める。

ファルマは剣を振り、ボールドは盾を構え、

メルマとモーガンは戦略を補助する。

ライザの指示一つで、戦況は完全に掌握された。


最後に、上位ランカーのリーダーが剣を構えた。

「やるな……だが、これで終わりだ」

ライザは静かに笑みを浮かべた。

「まだ終わりではありません」


光が再び手のひらに集まり、敵の力を封じる。

一撃で制圧し、戦いは終わった。


洞窟を出た時、空は夜の星で輝いていた。

ギルドに戻ると、ランキングはさらに上昇していた。

ライザはついに五百位を突破し、仲間たちと笑い合う。


「まだ道のりは長い……でも、これで一歩前進」

心に決意が芽生え、ライザは次の挑戦を見据えた。


ランキングの頂点――その場所はまだ遠い。

しかし、仲間と共に戦略を駆使する彼女なら、

必ず乗り越えられると信じられた。


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