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シーン⑲
澪と颯太。彩花と大輔。
このダブルデートは、彩花が煽り、澪がそれに乗り、颯太がのぼせる程熱くなる。
そんな激動のダブルデートも後半戦を迎える。
動きがあったのは、彩花のひと言からだった。
「ペアを交代しよう。」
お互い男女を入れ替えて、澪と大輔。彩花と颯太ペアに別れた。
彩花も澪もさすがに人の男に腕組はしなかった。
颯太は安心した。
ペアを変えるといっても、お互いにお互いを意識してか同じアトラクションを選択していたのでほぼ4人で回ってるようなもんだ。
ジェットコースターに並ぶ時、後ろ側だった彩花と颯太は澪たちと一組別のお客さんを挟んで並んだ。
並ぶ直前に彩花が靴紐を結んでいたので先に譲ったのだ。
「澪ちゃんには、ちょっと意地悪しすぎちゃったかな。」
彩花が颯太に話しかけてきた。
話しかけてきたのを見て颯太は思った。
靴紐はわざとだと。
でもそれ以降の会話は特に澪にも大輔にも聞かれても困るようなことはなく、颯太たちの順番が来た。
ジェットコースターは4人で1台。
前の澪たちとは1組挟んでいるので、結構離れて座った。
アトラクションの説明があり、お姉さんの合図でジェットコースターはゆっくりと動きだした。
上向きに少し登り、一度停車する。
そしてまた進み出す。
ジェットコースターも。
そしてさっきの会話の続きも。
「変に澪ちゃんのこと意識しちゃったんだよね。」
まだ緩やかだった。
段々とジェットコースターは頂上に差し掛かる。
「大輔がさ、澪ちゃんの話ばっかりするんだ。」
彩花のその言葉に颯太はドキッとする。
そして澪と大輔を見るが、もう前に2人の姿は無い。
前の急降下の勢いに連れて、颯太たちの台もスピードを増す。
しばらくして、俺たちはペアを交代した。俺と彩花、澪と大輔。
俺と彩花は、観覧車に乗った。彩花は、少しだけ申し訳なさそうな顔で俺に謝った。
「この間はごめんね。…大輔くんが、あんたのことばっかり話すから、嫉妬しちゃって」
彩花の言葉に、俺は少しだけ驚いた。そんなにも大輔は俺の話をしていたのか。
観覧車の窓から、下を見下ろすと、楽しそうに話している澪と大輔の姿が見えた。彩花は、その二人を寂しそうな顔で見つめ、ポツリと呟いた。
「…楽しそうだね」
その言葉に、俺は胸が締め付けられるような、複雑な気持ちになった。彩花は、大輔の俺への想いに気づいていたのだ。そして、俺は、大輔が澪のことを好きになったのかと、勘違いからくる嫉妬に心を支配されていた。俺は、今日のことが、澪の記憶に残らないようにと、心の中で祈った。
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