ページ18
シーン⑱
遊ぶ前の日の男女が連絡を取り合う。
「どこに行こうか」「楽しみだね」そういったやり取りが普通は行われるのだろう。
実際、颯太と澪も何度もデートはしている。
そういうやり取りもしたことはある。
しかし、今夜は違う。
例えるのならば、これは軍事会議だ。
澪は彩花のことを強く意識していた。
澪の一生懸命さが文面から伝わってきて、颯太にはそれが嬉しかった。
待ち合わせ場所に着くと、既に澪がいた。
「昨日はごめんね。」
俺が着くなり澪が謝ってきた。
おそらく昨日の軍事会議が盛り上がった件だろう。
「せっかくのデートの話なのに、なんか燃え上がっちゃって。」
予想通りの内容と共に、少し頭を下げる。
「でも、颯太くんの顔見たらなんか安心しちゃった。」
颯太は胸を打たれた。
最近LINEなどでも、こういった嬉しい言葉が増えた。
澪にデートの記憶が残ったからだろうか。
嬉しい。
しかし、慣れない。
こういった言葉をかけられる度に、颯太は胸を撃ち抜かれる。
文字通り、銃で打たれたかのように。
そうこうと話しているうちに、少し遅れて大輔と彩花カップルも到着する。
到着まで普通にしていた2人だが、彩花は澪と颯太の初々しい様子を見るなり、見せつけるかのように大輔に腕を組む。
その煽りに簡単に乗り、澪も颯太に腕を組む。
颯太は今にも沸騰しそうなくらい顔が赤くなった。
大輔は落ち着いた様子で颯太を見ていた。
彼らにとっては日常なのか、大輔は慣れているのか。
男として少しかっこよく見えた。
こうして波乱のダブルデートが始まる。
まずは軽い乗り物から。
というのがデートの定番らしい。
提案したのは彩花だった。
ギャルの定番なのか、女の子の定番なのかは分からない助かった。
そう颯太は思った。
この日は朝から胸を打たれっぱなしで、刺激が強いと夕方まで持つ気がしなかったからだ。
澪だけは彩花の提案に決まったのか不満だったのか、はたまた女の子として先手を取られたのが悔しいのか。
待ち時間もずっとスマホでデートの定番について調べまでいた。
ダブルデートの日、俺たちは遊園地で待ち合わせをした。最初は、四人で楽しくアトラクションに乗ったり、お土産を見たりしていた。しかし、俺と澪、大輔と彩花の間に、どこかぎこちない空気が流れていた。
特に、澪と彩花は、お互いに対抗心を燃やしているようだった。
二人で乗るアトラクションでは、俺と澪、大輔と彩花のペアに分かれた。観覧車の中で、澪は俺に言った。
「ねぇ、颯太くん。重大発表があるの」
俺の心は高鳴った。しかし、澪は、それは後で言う、と言って、俺をじらした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます