ページ17
シーン⑰
いつもと違う日には、いつもと違うことがとことん続く。
一ノ瀬先生が去った後、ある女性のお客様が入ってきた。
颯太には何か見覚えがあるような気がした。
女性は入店するなり澪を見かけて、その席に寄ってきた。
澪と出会って数ヶ月。
颯太は陽菜以外の澪の友達を見たことがなかった。
デートの時はとにかくデートのことを覚えてもらおうと、友達の話なんてのはしたことがなかった。
そんなことを考えていたら、女性が入店した時に厨房にいた大輔がフロアに戻ってきた。
「ゲッ…」
大輔の第一声に、颯太も思い出した。
会うのは初めてだ。しかし写真で見せてもらったことがある。
澪の前に座った女性は、大輔の彼女。
高瀬彩花だ。
茶色いロングの髪にはウェーブがかかっており、細身のスタイルに合うオシャレな服装。
澪を清楚系美人とするなら、ギャル寄りな美人だ。
そして澪と彩花はおそらく友達ではない。
少なくとも澪の記憶には残っていない。
なぜなら、慌ただしく日記を捲っているからだ。
「大丈夫だよ。初めましてだから。」
慌てている澪にそう告げると、彩花は自己紹介をした。
あくまで1人の女性として、どこの大学に行っているとかそんな紹介だった。
自己紹介が終わるなり、彩花はぶっ込んだ。
「颯太くんの彼女さんだよね?」
颯太と彩花は会ったことは無い。
しかし、颯太も彩花のことを知っているように、彩花も大輔から颯太のことを聞いていたのだろう。
それでも大輔の友達のとかいう相関図無しで颯太くんというあたり、もう友達かというような口ぶり。
さすがギャルだ。
見た目の期待を裏切らない。
「え?」と困惑している澪に対して
「違うの?じゃあ私が貰っちゃおうかな。」と続ける。彩花
これには澪だけでなく、颯太の隣にいた大輔も即座に反応する。
「冗談だよ。」
とすぐさまフォローする。
澪に行った後に大輔にも目配せをする。
これがギャルのノリと言うやつだろうか。
一ノ瀬先生が去った後、今度は見覚えのある女性が澪の席に座った。俺は、今日の澪はモテるな、と少しだけ不満に思った。
俺の隣にいた大輔が、小さくそう呟く。俺もその女性に見覚えがあった。彼女は、大輔の恋人である高瀬彩花だ。
彩花は、澪に鋭い眼差しを向け、挑発するように言った。
「あんたが望月くんの彼女? 本当に好きなの? 彼のことを」
彩花の言葉に、俺は戸惑う。なぜ彼女がこんなことを言うのかわからなかった。しかし、その挑発に、澪が腹を立てた。
「…だったら、ダブルデートでもする? 私と颯太くん、あんたと大輔くんで」
澪の言葉に、彩花は少し驚いた顔をしたが、すぐに笑って承諾した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます