とある少女の長い一生1
わたしは小さな村で生まれました。
わたしが持っているいちばん古い記憶の中のお父さんとお母さんは優しい顔をしていましたが、わたしが大きくなるにつれて笑わなくなり、よく2人で言い争うようになりました。
最近はご飯もあまり食べさせてくれません。
わたしか何か悪いことをしてしまったのでしょうか。
そう思ったわたしはお母さんにごめんなさいと謝りましたが、許してもらえず頬を叩かれただけでした。
そんな時、街から商人だという太ったおじさんが村にやってきました。
お父さんとお母さんは太った商人のおじさんから金色のピカピカしたお金を受け取りわたしを売りました。
お金を受け取ったお父さんとお母さんはとても嬉しそうに笑顔を浮かべていました。
売られたわたしは商人のおじさんのお店の檻で生活することになりました。1日に1回、パンと水をくれます。優しいです。わたしが売り物だからでしょうか。
誰かに買ってもらえればもっとご飯は食べられるのでしょうか。優しくしてくれるのでしょうか。
それなら早く誰かに買ってもらいたいです。
そんな事をその時のわたしは考えていました。労働力にもならない女の子供の奴隷が、買われた先でどうなるのか知りもせずに。
わたしを買ったのは太ったお金持ちのおじさんでした。
キラキラした宝石の指輪などをたくさんつけています。
わたしが会った村の外の人はみんな丸々と太っている人ばかりです。村ではそんな人いなかったのに。
買われたわたしは首輪に鎖を繋がれ、見たこともない大きなお屋敷につれて行かれました。
なにか良くないことが起こりそうな感覚はありました。
取り返しのつかないことになっているという予感も、ありました。
ここで死んでおけば、わたしはどれだけ幸せだったでしょうか。
お金持ちのおじさんは、わたしが悲鳴を上げると、とても嬉しそうに顔を歪めます。
わたしはそれがとてもおそろしくて、何とか声を上げないようにしますが、痛みと苦痛と、不快感、恐怖がぐちゃぐちゃに混ざり合って自分の体が言うことを聞きません。
お腹の中でなにかが潰れる感覚がします。息が苦しく、気絶しても更なる痛みで、苦しみで意識が戻ります。
どれだけの時間が経ったのかわかりません。数日なのか、数ヶ月なのか。とにかく苦しみだけがありました。
気がついた時にはまた、おじさんがその醜悪な顔を歪曲させてわたしの前に立っていました。
嫌な予感がします。
いやだ、いやだ。
やめてやめてやめてやめてこわいこわいこわいこわい。
「ぅあ"…」
やめてと叫びたかったけど、喉が潰れていて声が出ません。これ以上は耐えられません
もう限界でした。
わたしは自分の命がここで終わることをはっきりと悟りました。
グシャ…という湿った音と同時に何かがわたしの中に入ってきて、お腹の中をぐちゃぐちゃにしていきます。
真っ暗になって、何もわからなくなって、とても怖くて。
そこでわたしの人生はおわりました。
ただ幸せになりたかった。お金持ちになんてならなくていい。ご飯をお腹いっぱい食べたかった。お父さんとお母さんに優しく撫でてもらいたかった。
それだけなのに、どうしてわたしがこんな目にあわなくてはいけないのでしょうか。
どうしてこんなにもくるしまなくてはいけないのでしょうか。
しあわせになりたかったです。
しあわせになりたいです。
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