第3話-憎悪の章1-

 研究所跡からは光が失われて数百年。

 今宵は月の光が一際明るかった。

 建物はそこら辺が風化しており天井も穴が空き空が見えた。

 そのお陰で月明かりで辺りが見やすくなっている。

 丑三つ時を少しまわった頃、研究所跡から一人のヒトが自力で目覚めた。

 いつ目覚めるか自動設定していたんだろう。

 だが他にも同じように設定した棺はあったがどれも失敗している。

 このヒトは幸運だったのだろう。

「…ふふふ」

 不気味な笑い声が建物内に響く。

「人間をこんなに目に遭わせた原因を必ず突き止めてやる。殺せる存在なら皆殺しにしてやる!」

 不気味な影は彼のものだった。

 一つの悪意の牙がこの後、大惨事を招くことを神も知るよしもない。


 その頃、神々の世界では人間が生存してることを確認した。

 いつもの会議をしていたら人間の反応が二つあった。

 そしてコールドスリープで一時凌ぎしたことをしたことを知った。

「…人間がこんな小細工をしていたとは」

「放っておけばいい。繁殖もできないし、増えることもない。時間が経てば消えるのだから」

 その意見に神々たちは賛同し、静観することに決めたのだった 。

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