幕間 主要生存キャラ別心理描写補足。

第7話直後・

処刑後・キャラ別心理描写補足


〈王〉

――自分が壊れたとは、思っていない。


処刑を命じた瞬間、

胸の中で何かが冷たく整った感覚があった。

これでいい。

これが正しい。


誰かが決めなければ、

この島はもっと多くの死で溢れる。

〈演者〉は犠牲だ。


だが、必要な犠牲だった。

……そう考えなければ、

自分がただの殺人者になる。


だから〈王〉は、

自分を疑わない。

疑った瞬間、

王ではいられなくなるから。


〈設計者〉

――最初に浮かんだのは、怒りではなかった。


「やっぱりな」

予想通りだ、という感想。

感情より先に、検証結果が出た。


〈王〉は、

一度“処刑”という選択肢を使えば、

必ず次も使う。


それが効率的だから。

それが支配だから。


問題は――

その次が自分かもしれない、という点。

〈設計者〉はもう理解している。


この島で生き残る方法は一つ。

王を倒すか、

王に殺されるか。


感情は後回し。

設計図を描く時間だ。


〈共感者〉

――吐き気が止まらない。


助けられたはずだった。

処刑されるのが自分じゃなくて、

安心してしまった、その事実。


それが一番、苦しい。


〈演者〉は、

自分を庇って余計なことを言った。

場を和ませようとして、

空気を引き受けて、

その結果、消えた。


「私が、黙ってれば……」

その仮定が、頭から離れない。

共感する心は、

誰も救えなかった。


それどころか、

罪悪感だけを生かしてしまった。


〈観測者〉

――感情は、記録しない。

そう決めていた。


恐怖も、悲しみも、

全て「データ」として処理する。


〈演者〉の消失。

周囲の反応。

〈王〉の声のトーン。

全て、異常なし。


……異常なし?

記録を終えた後、

〈観測者〉は初めて、

自分の手が震えていることに気づいた。


これはノイズだ。

観測に不要な誤差。


だが、

そのノイズが消えない。

初めて理解した。

自分も、

観測対象なのだと。


〈神〉

神は、空からそれを見ていた。


予想より、

ずっと早い。


人間は、

秩序を与えられると、

必ずそれを暴力に変える。


だが今回は、

少しだけ、気になった。


〈演者〉が消えた瞬間、

島の“物語の色”が変わった。


神は、笑わなかった。

「……さて」

これは、

ただの実験だったはずなのに。


総括


〈演者〉の死は、

一人の脱落ではない。

それは――

「この島では、もう笑ってはいけない」

という合図だった。

ここから先は、

正しさが人を殺す。

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